PCの故障診断(マザーボード編)

三か月前に組んだ自作PC4号機が使用開始一か月で故障した。残念ながら、市場に出たばかりの最新パーツを集めた自作PCでは、初期不良は比較的あると言わざるを得ない。

半導体部品が殆どなので、安定稼働し始めた後は滅多に故障はないが、それでもOCなどして定格を超えて稼働させれば寿命も短くなるというものだ。しかし、そもそもIT機器というものは、後生大事に持っておくような代物ではない。寿命なんて5年も保てば良い方だ。

参考までに私がこれまでに経験したパーツ故障は以下の通りだ。

◆システムHDD故障(数年使用後)👈DELL製 Desktop PC

◆マザーボード故障(初期不良)👈自作1号機

◆グラフィックボード故障(数年使用後)👈自作1号機

◆マザーボード故障(数年使用後)👈自作2号機

◆簡易水冷型CPUクーラー故障(数年使用後)👈自作2号機

◆M.2 NVMe SSD故障(初期不良)👈自作4号機

◆M.2 NVMe SSD故障(一か月使用後)👈自作4号機

◆マザーボード故障(一か月使用後)👈自作4号機

使用開始後一か月で故障なんてのは、私に言わせれば初期不良なのだが、使用開始している以上、通常は交換ではなく修理対象になってしまう。

自作PCの場合に厄介なのは、故障した部品を自分で特定し、メーカーまたは販売店と交渉しなければならないことだ。

ディスク系の故障は比較的分かり易い。システムなら起動しないし、読み書きのエラーより認識しなくなる場合が多いので、特定も簡単な場合が多い。

PCパーツで最も故障や不具合が多いのは、私の経験上はマザーボードだ。今回もそうだった。勿論既に復旧済みであり、その自作4号機で本稿を書いている。では経緯からいこう。

ある日突然PCがダウンした・・・

たまたま作業中ではなかったが、起動中のPCがダウンし、画面表示がされなくなった。ぷつーん・・・

えっ・・・。はぁ・・・。何かが逝ったか。今回はどのパーツかねぇ・・・。

そもそもPCパーツで日本製のものなんて殆どないので、それほど驚くことでもない。今回はBIOSにすら入れないので、十中八九マザボだと踏んだが、何もせずにサポートとのやりとりを行うのは時間の無駄である。

偉大なるマザーを否定するためには、「おまわりさん、犯人はこいつです。」と言えるだけの論拠を示さなければならない。

まずは一番怪しいマザボの自己診断を見る・・・

Debug code LEDに”0d”が表示されている。

EZ Debug LEDには”DRAM”が点灯している。

ふむ、マザボの取説を見る限り、前者はブートフェーズのローレベル初期化エラー、後者はDRAMが検出されないか、認識に失敗したことを示している。

これだけじゃ分からんね。

次に電源をチェック・・・

電源は入る。

ケースファンやCPUクーラーのファンは回っているし、ディスク類も動いている。マザーボード上のLEDやメモリも光っているので、ATX電源は供給されている筈だ。

もしPSを疑うなら、こういうものを使えば簡単だ。

「男の直感」でPS故障の可能性は低いと思ったものの、CPU電源だけがPSから供給されていない可能性もあるので、一応チェックしたが異常なし。やはりPSじゃない。
グラボをチェック・・・
モニターへの信号入力がないなら、グラボの故障は疑う必要がある。そこで手持ちの別のグラボと交換した。Geforce GTX1660 SUPERのボードと交換してみたが、症状は変化せず。
うん、グラボでもないな。
CPUの装着をチェック・・・
組み立て時の接触不良もあり得るので、CPUとCPUクーラーを取り外し、もう一度装着してみた。予想通り症状に変化なし。
DRAMをチェック・・・
DRAMの故障もあまりないと思ったが、一応マザボの自己診断ではDRAMが認識できないと言っているので、チェックした。
◆すべての接続機器を外し、CPUとマザーボードだけで電源を投入

Debug code LEDは”0d”が表示されている。

EZ Debug LED は”VGA”と”CPU”が点灯、消灯を繰り返した。

要するにローレベルの初期化を繰り返し、VGAもCPUも認識できないと偉大なるマザーは仰ってる。

◆マザボにCPUとメモリ#1を接続して電源を投入

Debug code LEDは”00~14″を繰り返した。

EZ Debug LED は”CPU”が点灯。

メモリ一枚挿しだとCPUが認識できない、と偉大なるマザーは言い分を変えた・・・。マテコラ。

◆マザボにCPUとメモリ#2を接続して電源を投入

Debug code LEDは”00~14″を繰り返した。

EZ Debug LED は”CPU”が点灯。

こうなると、つまりアレだ。ローレベルの初期化に失敗しているのは明らかだが、DRAMが二枚とも同時に故障したとは考えにくいので、この段階でメモリも容疑者から除外した。
犯人はCPUかマザボに絞られた・・・
CPUメーカーとマザーボードメーカーの品質保証体制を比較した場合、前者の不良であることは確率的にかなり低い。
以上の論拠を示して偉大なるマザーのサポートセンターに連絡を入れたところ、「マザーボードの故障だと思われるので、送ってください。」との返答があった。
よし、話の分かる奴じゃないかということで、PCを解体し偉大なるマザーに別れを告げた・・・のだが。
二か月近く待った・・・
通常は三週間ほどで返送するとのことだったが、待てど暮らせどマザーは帰ってこなかった。途中何度か督促を入れたが、世界的なコロナの影響なのか、台湾に帰国した偉大なるマザーは、再び帰ってくるまでに二か月近くかかった。
その間、現行機(自作2号機)のグラボをアップグレードして繋いだ。早々にディープラーニング専用機にしてしまわなくてよかったわ。
そして再び組み上げたのだが・・・
お分かりだろうか。電源を投入しても電源ボタンしか点灯しなかった。電源ボタンの右横にあるDebug code LEDが点灯しない。当然のようにEZ Debug LEDも点灯しなかった。嫌な予感がした・・・。電源ボタンを押したが、案の定PCは起動しなかった。電源が入らないのだ。あぁ・・・
修理に出す前より悪化してるじゃねぇか・・・
怒り心頭に発したが、アンガーマネージメントが発動した。ここは一旦気持ちを落ち着かせ、念の為もう一度PSの不具合ではないことを確認するために、今度はPSテスターではなく、自作2号機の電源を自作4号機のマザボに繋いで確認したものの、当然のように症状は変わらなかった。
その旨を文に認め、再びクレームを入れた。
「オタクは出荷前検査をしないのですか。」と。
サポートセンターの返事はこうだった。
「今回のお品物については、Cold Bootテスト、Prime95による負荷テストを行い、異常がないことを確認をしてから出荷を行っています。電源の交換を行い、症状が変わらないとのことですが、その他のパーツの故障も考えられます。その他のパーツについても交換、組み換えを行っていただけませんか。」
ちょっと待ってクダサイねェちゃん・・・そ~んなこたぁねぇダロ、よ~く見りゃわかるBreak Down(Oh,Yeah!) 
へぇ、負荷テストねぇ・・・電源も入らないのにかよぉ。サポートの人ってのはどうして、客が皆シロウトだと思って上から目線なんだろね。おいおい、俺ぁ、こう見えても元は信号処理エンジニアで、この手のボードなんぞ、昔は一週間に一枚は仕事で設計してたんだよ。と凄んでみたところで意味がない。昔は昔、今は今だ。喧嘩するのが目的ではなく、如何に早く先方の非を認めさせて良品を手に入れるかが課題なので、優しく丁寧に回答した。
「逆にお伺いしますが、ボード上の電源ボタンを押しても電源が入らないのに、PS以外の何を確認しろと仰るのでしょうか。たとえCPU、メモリ、グラボ類の何が異常、或いは未接続であってもボードの電源は入り、自己診断LEDが点灯するのが正常動作だと考えますが、違いますか。」と。
新品交換対応になった・・・
翌日返事があり、「メーカー及び製品担当と協議した結果、今回の品物は新品と交換させて頂きます。」とのことだった。ったりめぇだろが。苦節二か月。長かったぜ。
そして新品のボードが送られてきたので、また駄目で解体する羽目にならないように、マザーボード単体でPSからATX電源を供給して確かめた。
ほら見やがれ。CPUやメモリを挿さなくたって、普通はこうなるのが正しいんだよ。という趣旨の嫌味を、写真を添え、丁寧な文章で御礼と称してサポセンに送っておいた。やれやれ、高いCPUグリスを何度も無駄に浪費したぜ。
因みに、別途故障したM.2 NVMe SSDの方は、Amazonに返品した。こいつは初期不良で交換して貰い、使い始めて一か月で同じ症状でクレームになったので、多分「調査扱い」になるのだろう。どうなることやら。私は悪くないんだけどなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です