刀の柄は多分こうやって直してたんじゃないか

2月末に父が他界し、自分もこの春に勤め先の会社が変わったこともあり、暫くブログを更新していなかったが、久しぶりに再開することにした。

我が家の先祖はH川家由来の武家なので、「刀」が「家宝」として伝わっている。家宝と言っても宝剣と違って銘柄のあるものではなく、実戦用の刀なので全く価値などはない(と思う)。

その昔、祖父が私にくれたものなのだが、長い間実家に置きっぱなしにしていたら、父が押入れにしまっていたようで、桐の箱やら、刀を包む袋や、柄などが黴びてボロボロになってしまっていた。

このような具合である。侍の魂をこのようにしてしまってご先祖様には申し訳ないが、父のせいだ。

ご存じの方は少ないだろうが、刀の柄は刀身ではない握りの部分(茎という)をサメの皮で包み、それを平紐で巻いたものである。それがこのように平紐が朽ちてしまっている。

刀剣ショップなどに持ち込めば綺麗に直せるのだろうが、宝剣ならともかくこんなものを修理に出す人はいないだろう。というわけで今回もDIYだ。果たして直せるのだろうか。

まずは、黴びた柄をアルコールウェットティッシュで拭く。

刀の柄にはこのように目貫というものが両側に嵌めてある。これは多分金細工ではなかろうか。

さて、ここから平紐を巻いていくわけだが、元の物を観察した上で、似たようなものを「ユザワヤ」で買ってきた。それをまず水に浸ける。濡らしてから巻くと乾燥して締まるからだ。こういう作業の基本の基だね。

それをこのようにして捻じった部分を交差させながら、両側同じようにして巻いていく。こんな作業は参考にする人もいないだろうからサクっといく。

最後に鵐目(しとどめ)に紐を通し、適当に(笑)巻く。多分ちゃんとした縛り方はあるのだろうけど知らん。

いや、だってさぁ、これってテニスラケットのグリップを巻くようなものじゃん。多分昔の貧乏侍はそんなもんだったと思うよ、うん。

というわけで、出来上がり。ボコボコしてるように見えるが、これは柄の両側に少しずらして目貫を編み込んでいることで、握りが滑らないようにしているのであってこれで正しいのだ。

参考までに、鍔の部分は完全に錆びているが、金工象嵌が施してあってちょっと粋である。

なんとなく3mほど買ってきた平紐だが、実にぴったり3mだった。男の直感かしら。

さて、これでなんとか息子に譲れる状態にはなった。万が一我が家に押し込み強盗など来やがったら、刀の錆にしてくれるわ。ふはははは。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です