フローリングをコーティングしてみた

我が家を建築した際、入居前にフローリングのコーティングをするか住宅メーカの担当の方に聞かれたのだが、費用を聞くととてもそんな余裕はなかった。以来年に一度か二度フローリングにワックスをかけてきたのだが、これが意外に重労働だった。何せ毎回次のような工程を踏まなければならないのだ。

①フローリング上にあるテーブルやソファ等のあらゆる障害物を移動する

②既存のワックスを剥がす

③ワックスを塗る

④退けておいた障害物を元の位置に戻す

①②④が重労働なのだが、中でも特に②が大変な作業で、二階建ての我が家のワックスがけには毎度丸々2~3日かかる。

おそらく②をやらない方は多いのではないだろうか。だが汚れたワックスを剥がさずに上からワックスを塗ってしまうと、だんだんフローリングが黒ずんでいってしまう。特に我が家のような明るい色のフローリングの場合はそうだ。だから②は欠かせない工程なのだが、これが一番厄介で毎回苦労する。

それ故にワックス掛けは億劫になりがちで、やる気を出すまでに時間がかかる。だからと言って新築でもないのに数十万円もかけて業者にコーティングを頼む気にもなれない。そこで今回はワックスではなくコーティングを自前でやることにした。

用意したのは、「ビアンコートB」というものだ。DIYで施工できるコーティング剤は数種類市販されているが、施工方法を事前に調べることが出来たビアンコートBを選んだ。

では早速取り掛かることにする。まずは施工の邪魔になる障害物の除去からだ。

1 家具類の移動

ざっと見て、ソファ、センターテーブル、ストレスレスチェア、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、電話代兼本棚、エレクトーン、テレビ、ステレオなどなど色々と邪魔だ。

しかも、どれも重量物ときてる。一人で何とかなるのはストレスレスチェアのみ。その他のものは基本二人がかりでなければ動かせない。エレクトーンとテレビ、ステレオ周りに至っては大の男が二人がかりでも厳しい。こいつらを別の部屋に移動しなければならない。そこで登場するのがこれだ。

「PICUS らくらくヘルパー360°ZP-360」。重量級の家具を移動する道具は色々市販されているが、全方向に移動できるものは少ないので、これは重宝している。まあ、移動シーンを解説してもしようがないので、此奴を使って邪魔物を隣部屋に押し込んだ。

2 ワックス剥がし

何度も言うが本題の工程の内、一番大変な作業がこれだ。塗ってから半年、一年と使い込んだワックスは、そう易々とは除去できない。例年はリンナイ等から販売されているワックス剥離剤を使うのだが、今回はしっかりと除去するためにより強力なものを選んだ。

花王のプロワン。5倍に薄めて使用する。この作業を行う際に絶対に必要なものは、100円ショップで買える風呂場用ブーツだ。これがないと、剥離剤を塗ってヌルヌルになったエリアから非作業領域に出るときに困る。こいつを履いて、剥離剤の希釈液をドボドボとフローリングに撒き、モップ等で塗り拡げていく。

ワックスと剥離剤が十分に反応するまで10分から15分かかるので、気温にもよるが折角塗った剥離剤が乾いてしまわないように、時々追加で希釈液を撒きながらモップで塗り拡げ続ける。十分に反応すると、ワックスがデロデロに浮いてくるので、これをそぎ取っていく。この作業には、ランダムアクションサンダーとカーボン製のスクレーパーを使用する。スクレーパーだけでは、しつこいワックスを完全に除去するのは難しい。

まず、ランダムアクションサンダーにワックス剥がし用のパーツ(別製品の物)を取り付け、剥離剤で反応したワックスに振動を与えてそぎ取り易くする。その上でジワジワになったワックスをスクレーパーでそぎ取っていく。スクレーパーは柔らか過ぎるとそぎ取り難く、硬過ぎるとフローリングを傷つけるので、この様なカーボン製の物が適している。

フローリングの隙間に入り込んだ古いワックスも、ヘラで掻き出す。これをやらないとフローリングの板の間が黒い筋となって目立ってしまうからだ。元々塗った時のワックスは乳白色だが、半年から一年経過するだけでこのような灰色になっている。一応言っておくが、断じて拭き掃除を怠っていたからではない。

このようにしてワックスを剥がすと、床面の見た目でも剥がした部分と古いワックスが残っている部分の違いは歴然だ。

経年劣化したワックスは、上図の様に拭き掃除では取れない汚れで黒ずんでいるので、毎回黒ずんだワックスの上からワックスを重ね塗りしてしまうと、フローリングはその度にどんどん黒ずんでいってしまう。

剥離作業を終えたら、次は残留剥離剤を除去する。この作業にはスチーム洗浄機を使用する。

我が家ではケルヒャーのスチーム洗浄機を使用しているが、特にこれでなくてはいけないということはない。ただスチーム洗浄機はある程度容量があるものがいい。容量が小さいとすぐにスチームが切れて水を補充しなければならない。しかし、一旦熱くなった本体は冷えるまでバルブが開けられないので、水を補充できるようになるまで時間がかかる。また、水を補充してから再びスチームが出るまで加熱にも時間がかかるため、容量の小さいスチーム洗浄機は作業性という点で使い物にならない。

スチームをかけては水拭きし、またスチームをかけては水拭きという作業を、フローリングの表面がヌルヌルしなくなるまで繰り返す。大体2~3度行えば綺麗に除去できる。その後は乾燥だ。フローリングが濡れたままではコーティングが出来ない。

十分にフローリングが乾燥したら、コーティング剤を塗る前にブタノールで脱脂する。無水アルコールなどでも構わないが、今回はビアンコートBに付属していたブタノールを化粧用のパフに染み込ませ、フローリング面を一通り拭いた。フローリングの上を裸足で歩いたり、コーティングする際にフローリングに素手で触れたりすると、皮脂が付着してコーティング剤がうまく乗らないので、ブーツを履いてゴム手袋をする。

3 コーティング剤塗布

コーティング剤の性質上、やり直しはきかない。塗りムラ、塗り残し、液垂れなどの失敗は許されないため、慎重且つ大胆に進めていく必要がある。塗り方の手順と塗り進める方向と順番を予めシミュレーションしてから一気に塗り進めなければならない。

広範囲を塗るため、ワックス用のモップを使用するが、新しいモップは糸くずが出るので掃除機で吸っておく。しかし、モップでは角の細かい部分に届かないため、最初に角をメラミンスポンジで極める。次にコーティング剤をモップにつけ、液垂れしないように扱いてから、一回で塗布する範囲を左右に動かして薄く均等に塗り拡げ、最後にモップの片側を上げて均す。イメージできたら一気にいく。

とは言え、本丸のリビングを初めにやるのは勇気がいるので、最初は廊下部分を施工した(上左図)。施工した部分と施工前の部分(右下)の差が明らかに分かる。両方施工を終えると、均等にフローリングの艶が蘇る(上右図)。

仕上がりに機嫌を良くして一気にリビングとキッチンも仕上げた。照明の違いで色合いが少し異なるイメージに見えるが、ほぼ均等に施工出来ている。後は乾燥させるだけだ。気温25℃だと三時間半ほどで乾燥するとのことだが、三時間半では歩いて問題ない程度にはなっだが、硬度はそれほどない感じがした。完全に硬化するまではもっと時間がかかるのだろう。

注意すべき点として、コーティング剤塗布中はエアコンを止めておくこと。エアコンを稼働させた状態で塗り進めると、乾燥が均一にならずところどころ下図のような硬化不良が発生する。もしかしたら、多少水分が残っていた影響もあるかも知れない。

こうなってしまったものは仕方がない。剥離は出来ないのでやり直しはきかない。慌てずスクレーパーでサクサクと削れるだけ削り、軽くサンドペーパーで均してからマスキングし、部分的に重ね塗りすれば問題ない。フローリングの継ぎ目で塗り直せば目立たない。

ちゃんとマスキングした方がよいが、メラミンスポンジで塗れば継ぎ目を外さずに正確な施工ができるので、塗ったところと塗ってないところが分からずに踏んでしまわないように目印を付ける程度で十分だ。

乾燥してコーティング剤が硬化したら、家具を戻して完成だ。

見た目はワックスを塗った後と大差ないが、明らかな違いは全く滑らないことだ。ワックスを塗った後に靴下などを履いて歩くと滑るので注意が必要だが、ビアンコートBの塗膜は全くそういうことがない。

そして何より良いのが被膜が硬いという点だ。ワックスだと頻繁に動かすダイニングテーブルの椅子の脚部周辺には、やはり細かい擦り傷がついていく。ワックス被膜は柔らかいので多少は自然修復されるが、やはり時が経つに連れて傷は増え、そこに汚れが付着し、艶が失われる。しかし、コーティング剤の被膜は硬いので、今の処新たに出来た擦り傷は認められない。

果たして、これで今後10年~20年塗膜が維持されるか否かは不明だが、今後の経過を観ていきたい。なかなか良い感じに仕上がったとは思う。

ダイニングテーブルを塗り直してみた

妻が五千円ほどのテーブルクロスをネットで買っていた。我が家ではテーブルにクロスはかけていない。暫くするとまた妻がテーブルクロスをネットで買っていた。妻がネットショッピングをすると私にメールが来るので分かるのだ。テーブルクロスも安いものではない。何があったのかと聞いてみると、妻の母親の家のダイニングテーブルの塗装が剥げたらしい。実際には剥げたのではなく、傷ついたダイニングテーブルをヘルパーさんが何とかしてくれようとした結果のようだ。それならと、塗り直してあげることにした。

見せてもらったところ、なるほどこれは酷い。どうやら紙やすりで削り、水性ニスを塗ったとのこと。原理的には間違っていないが、知識と技術と道具が足りない三重苦とも言える。このテーブルはウレタン塗装されているので、紙やすりで擦って部分塗装したのでは、むらなく修復することは困難だ。よって、ちゃんとやるには次のプロセスが必要になる。

工程1 ウレタン塗装を剥がす

工程2 木目を出す(これはオプション)

工程3 水性ウレタンニスを塗る(塗る度に表面を削り5~6度塗り重ねる)

工程4 磨く(水性ウレタンニスの完全硬化後)

では始めよう。

1 ウレタン塗装剥がし

紙やすりでやってもできないことはないが、延々と時間がかかる。紙やすりもどれだけの枚数が必要になるか分からない。ここはベルトサンダーが必需品だ。私は数千円で手に入る高儀 EARTH MAN ベルトサンダー BSD-110を用意した。

まずこやつに#60のヤスリベルトを付けて荒削りする。次に#120のものに替えて更に削る。側で見ている義母と妻がビビっているが、こういうものはある程度思い切りというものが必要だ。

一通り天板を削り終えたが、ここからが厄介だ。ベルトサンダーはカンナのように平面を削るための工具だ。テーブルの端の曲面を削るのには向いていない。多分オービタルサンダーを使った方がよいのだろうが、何しろ時間がない。再塗装まで含めて一日で済ませたい。そこで少々技を使い、ここでも研磨力の強いベルトサンダーを使用する。ベルトサンダーの底部で削ると曲面が平らになってしまうので、ヤスリベルトを少しずらしてベルトサンダー本体からはみ出させ、ベルトのテンションをうまく利用して曲面に押し当てていく。

多少技術は必要だが、この様にするとベルトサンダーでも曲面を綺麗に削ることが可能だ。最後にBOSCH(ボッシュ) 吸じんランダムアクションサンダーGEX125-1AEを使って、#180、#240、#400で表面をならして削り工程は終了だ。

2 木目出し

元の塗装は、あまり木目を見せない塗装だった。それを削り取ったところで、義母が「木目が綺麗に見えるわね。この白木の状態で使えないかしら。」と言い出した。使えないことはないのだが、白木の状態で使ったら、何かこぼしたりするとすぐ滲みになってしまう。オイル塗装してもよいが、その場合メンテナンスフリーという訳にはいかない。透明ニスでもよいかも知れないが、今回テーブルの足は塗装する予定にしていないので、色違いになって不自然なので勘弁してもらうことにした。その代りとして、ニスの塗り重ね回数を減らすために、ニス塗りの前にステインを塗る予定にしていたので、ステインを塗ってから一度削り、木目だけを残した状態にしてからニスを塗る工程に変更した。まずはステインを塗る。

ステインを塗ると木目に色が染み込むので、ランダムアクションサンダーで表面を削ってやると、木目に染み込んだ色だけが残り、後でニスを塗った時に木目が強調される。

まあこんな具合だ。上図ではランダムアクションサンダーに曲面用アダプタをつけて削っているが、先程の曲面塗装剥がしはこれでも出来る。ただ、ランダムアクションサンダー用の紙やすりは、#180から上しか用意していなかったため、時間短縮のためベルトサンダー#120でやっつけた次第である。

3 ニス塗り

さて、いよいよニス塗りをするわけだが、ダイニングテーブルは実用品だ。毎日過酷な使われ方をする。よって普通の水性ニスでは塗膜が弱い。そこで水性ウレタンニスを使用し、硬い塗膜を作る必要がある。

まずは一度ざっくり塗る。何度も塗り重ねては削るので、多少ムラになっても気にせず、なるべく薄く均等に塗り、乾燥させる。この時の気温は29℃。暑いのでエアコンを27℃設定で入れていた。塗料には普通インターバルタイムが仕様に示されており、この水性ウレタンニスの場合は25℃で90分と書かれている。塗り重ねるまでに必要な乾燥時間が、気温25℃では90分必要ということだ。このインターバル時間を守らないと、まともな塗膜が形成されない。しかし5~6回は塗り重ねたいので、90分は待てない。気温は指定時間より2℃高いとは言え、自然乾燥では30分の短縮は無理だろう。そこでドライヤーを併用することにした。そして一時間後、ランダムアクションサンダーの#400で削り、再びニスを塗る。

塗っては乾燥させ、削ってはまたニスを塗る。三度目の塗装からは刷毛ではなくコテパケを使って塗りムラをなくすように塗り重ねていく。

徐々に塗膜が深みを増し、艶も出てくる。

 

いい感じになったら、#1200の耐水ペーパーで軽く水研ぎをする。

ここまでで作業は終了し、義母に一晩経ったら使ってもよいと伝え、一旦引き上げた。

4 磨き

最後に#3000以上の磨き粉でバフをかけるのだが、ニスを塗り重ねた当日は塗膜が完全硬化しておらず、バフがけの熱で塗膜が痛む可能性があるため、後日再度訪問して最終仕上げを行った。

これにて完成。一枚板ではないが無垢材ならではの木目の綺麗なダイニングテーブルが再現された。

非常に喜んで頂けたようなので、一件落着。家にある道具(ランダムアクションサンダー、研磨剤)の他、追加購入した道具(ベルトサンダー)と材料費(ステイン、水性ウレタンニス、100均の刷毛等)合わせて一万円以内で完成した。