寝具を替えてみた

二年前に寝具を一式まるごと買い替えた。所謂バージョンアップだ。その頃はまだブログを始めていなかったこともあるが、買った直後だとただ買いましたってだけで、感想や使用感が書けないので、二年使ってみた結果も含めて書こうと思う。

ベッドマットについて

買い替えるまでは、フランスベッド製のコイルスプリング式のマットの上に、トゥルースリーパーを載せて使っていた。こんな具合だ。

しかし、マットにしてもトゥルースリーパーにしても長年使えばそりゃヘタる。中身がコイルスプリングということは、スプリングを減衰させた回数で寿命はある程度決まってしまう筈だ。同じコイルスプリング方式の車用サスペンションだって、一般道走行で五万Kmも走ればヘタりを感じる。レース走行ならもっと短い。ベッド用のコイルスプリングが何年でヘタるかは知らないが、毎晩ラリーのようにコイルスプリングを酷使すれば寿命も短くなるに違いない。多分だが、うちの場合は一般道走行相当の筈だからして、精々十年かそこらはもっていた筈だが、耐久試験の様相を呈していたことは間違いない。

だから、スプリングがギシギシいい出してからはトゥルースリーパーという低反発ウレタンをマットの上に載せ、これで良いはずだと無理やり自分を納得させつつ使ってきたのだが、やがてそんなトゥルー君もヘタレになった。押し込んでも元に戻らなくなり、凹みが目立つようになったのだ。流石にもう無理だと思ったので長男が就職した後、遂に買い換えることにしたのだ。

最初はちょっと奮発してそれまでのものより少し上等なコイルスプリングのマットに買い換えようかと思い、日本ベッドやシモンズのマットを検討していた。だって人生の半分は寝てるわけだから、機械式の腕時計に100万円使うよりは価値のある投資の筈だ。別に人の価値観を否定するつもりはないが、機械式の腕時計というものは、放っておけば止まるし、最低でも一日に数秒は狂うし、2~3年に一度は数万円かけてメンテナンスに出さないとどんどん駄目になる。あれは精密機械技術者をリスペクトする人が買うものだ。俺にはそんな気は毛頭ないから、時計よりはベッドに投資したい。時計はクオーツでいい。

おっと、話題がずれたな。そうそう、それで羽毛掛け布団を探しに日本橋に西川の展示即売会を覗きに行った際、たまたま変わり種を見つけ、勢いで買ってしまったのがこれだ。

イタリアのノッティンブル社製のウッドスプリングベッドでEgoシリーズ。写真の赤い部分は一枚の板バネで、それ以外は二枚組の板バネで構成されている。赤い部分以外は板バネの強さを二枚重ねにする幅で調節するように出来ている。

板バネの束ねているパーツを中央部分に近づけると、板バネは一枚に近くなって柔らかくなり、逆に端で束ねると全体が二枚組の板バネになり硬くなる。

更に、板バネを両側で支えているパーツも樹脂製のバネになっており、間に補強パーツを挟むか挟まないか、また補強パーツを入れる差し込む向きを上下替えることでも反発力が変わるようになっており、体重や身体の位置によって反発力を調整できる様になっている。

だからと言って流石にこの上に直接は寝られないので、やはりマットは置くのだが、このようなベッドベースに、日本ベッドやシモンズのような厚いコイルスプリングのマットを合わせると、ウッドスプリングの機能が全く働かず意味がなくなってしまうので、マットは同じくノッティンブル社のウレタンマットを合わせた。

この感覚は何と言えばよいのだろうか。マットはウッドスプリングの上に浮いていて、そのマットの上に身体を乗せると、ウレタンのクッション性とウッドスプリングがそれぞれ効いて不思議な無圧感に包まれる。ウォーターベッドのような浮遊感があるのだが、それともちょっと違う。何とも言葉では形容し難いほわーんとした感じでありながら、身体への追随性は良好だ。その後二年間寝てみたが、実にいい。今の処文句のつけようがない。

羽毛掛け布団について

その日は、ベッドを買いに行ったのではなく、そもそも羽毛掛け布団を買いに行ったので、そちらも合わせて購入した。それまでは、夏から冬にかけてタオルケットから始まり、薄手の肌掛け、毛布、肌掛けを厚手の羊毛布団に交換、毛布追加、敷毛布追加という様に調節していたのだが、布団の重みでこむら返りが起きるようになり、どうしても羽毛布団が欲しかったのだ。それに毛布を使うとやはり埃が立つので、毛布そのものをやめたかったというのもある。

そこで、出来れば羽毛布団一枚で寝られる質の良いものを選びたかった。だがしかし、ここにもこちらの資金力に対して価格の壁が立ち塞がる。羽毛布団って奴は実にピンきりだ。最高級とされるアイダーダックダウンなんて、一生モノだと言うならまだ分かるが、所詮消耗品だというのに誰が買うんだこんなもんという値段だ。羽毛布団だって精々十年持てば良い方だろう。アイダーなんて候補にも入らん。

だからと言って安物も駄目だ。羽毛はやはり鳥の羽根なので、加工品質の悪いものは臭い。毎日寝るのに動物臭がするなんてあり得ない。しかしだ、羽毛布団に加工されてしまっている時点で、中身を目で見て触って匂いを嗅いで確認というわけにはいかないので、ある程度信用買にならざるを得ない。

選定基準として「羽毛の種類」「ダウン率」「ダウンパワー」があるので、加工品質にもよるから飽くまで目安だとしても、ある程度決めないと選べない。

まず羽毛の種類だが、ダック、グース、マザーグースとある。ダックは雑食で加工品質が悪いと臭いという。グースは草食だから比較的ダックよりは臭い難いということなので、まずはグースだな。マザーグースの方がダウンボールは大きいけれど、そこまで育てるためには飼育期間も長くなり、価格も高いからここは一つの妥協点だ。

ダウン率は高いほど良い。フェザーなんて入ってちゃ駄目駄目。ここは譲れない。

ダウンパワーは高いほど良いのだろうが、これは家の断熱性能にもよる。我が家の壁の断熱性能はそこそこだと思うが、屋根には断熱塗料も塗ってあり、窓は二重サッシなので、冬場の夜間に暖房を切っても朝方の室内温度が10℃を下回ることは滅多に無い。上を見ればキリがないので、ダウンパワーは400を目安にすることにした。

結果として選んだのがこれだ。ポーランド産のホワイトグースダウン93%でDP400。西川の記念商品ということでお買い得だったこともある。ベッドも一緒に買ったので結構な値引きもして貰えた。

ムートンマットについて

ついでにというわけではないのだが、大きな買い物をすると気持ちが大きくなってしまい、お金もないのに購買意欲に勢いが・・・。後日これも買ってしまった。

ムーミン、いやムートン。

だってほら、敷毛布代わりのものが必要だからさ~(¬__¬;)

毛足はぴったり35mmだ。

グートンさんから買ったスプリングラムのムートンマットだ。モフモフ萌え~などでは断じてない。絶対に違う・・・そりゃあ確かに俺のベッドの上には、

こんなのや、

こんなのや、

こんなのだっているよ。いることはいる。いやこいつら何でいるんだか分からんが、いつの間にか住み着いてた。確かこいつらはかつて息子達の幼少期の友だった奴等の筈。まあ、いるものは仕方がない。俺は博愛主義だからな。ハトやネコが我が家の敷地内に侵入するや否や、即時DEFCON 1を発令して迎撃態勢に入る妻とは違うのだ。あいつらに不法侵入を許してはならないというのが妻のポリシーだ。同意はするが、こいつらはハトでもネコでもない。イヌっぽいものと、クマっぽいもの、それに多分最後の奴はシロクマだろう。クマは結婚当時妻に漏れなくついてきた。こいつの年齢は一体幾つだ。シロクマに至っては今や地球温暖化で絶滅の危機に瀕している。俺が守ってやらなければならない。

話を元に戻そう。何はともあれ、それまでの寝具がバージョン1.0だったとすれば、今はさしずめバージョン2.35といった辺りだろう。ベッドマットだけじゃなく、ベッドベースがウッドスプリングになり、掛け布団は羽毛に、そして敷毛布がモフモフになったからな。

このようにバージョンアップした寝具で、その後二年ほど過ごしてみた。まずは越冬だが、越冬隊は快適に過ごすことが出来た。そして毛布は完全に過去の遺物と化した。羽毛布団は軽い、温かい、正に言うことなしだ。この組み合わせだと、寧ろ温かいを通り越して暑いほどだ。出費はちょっと痛かったが、それに勝る投資効果と言えるだろう。

次に夏だが、これは完全に無理ゲーだった。当たり前だが、羽毛掛け布団にはお引取り願った。問題はムートンだった。空気を含み、身体との接地面は少ないから、夏こそムートンは快適だと寝具屋は言っていたのだが、はっきり言おう。

そんな訳あるかっ。

冬場温かいんだから、夏は暑いに決まってる。麻のシーツをかければいいとネット情報にあったのでそれも試してみたが、当然の如くギブアップだ。羽毛布団同様に夏場はお引取り願うしかなかった。

夏場は仕方ない。諦めよう。しかし冬場は最高だ。買ってよかったと思う。

枕の旅が終わらない件について

枕が合わない。枕とは一体何なのだろう。寝る時に枕がないと眠れないなんて、動物の中じゃヒトだけだ。何故ヒトはこんな思いをしなくちゃならないんだ。しかも実際に合わないのか、合っていない気がするだけなのか、それすらよく分からない。だから枕探し・・・いや枕を探す旅が終わらない。枕探しは不味い。犯罪だ。枕営業とも違う。それは男のやるもんじゃない。日本語って難しいな。

何はともあれ、朝目覚めた時に何となく肩や首が張っている様に感じるのは、きっと枕のせいだ。だから、これまでに随分と色々な枕を試してきた。必要なプロセスだったんだ。無駄な物を買い続けてきた訳じゃない。と、思いたい。

ああ、それなのに、最早幾つ試したかも覚えていないほど試したのに、未だにこれだという枕に出会えていない。証拠物件が残っている中で割と初めの頃に試したのはこれだった。

かれこれ20年ほど前になるだろうか。どちらも肩、首、頭のラインに合わせて計測して作ってもらったオーダー品だ。左側のものが自分用で、プラスチック製のストローを細かくカットしたような詰め物が中に入っていて、詰め物の量は自分で調整できる。このタイプの特徴は次の通り。

◆弾力性が殆どなく、硬いと感じる

◆高さの調整はし易い

◆通気性はよいので熱はこもらない

一方、右側のは妻用で、羽毛枕だ。羽毛枕の特徴は次の通り。

◆柔らかく、頭が枕にふかーっと沈み込む

◆熱がこもり易い

◆ヘタり易い

前者は硬過ぎ、後者は柔らか過ぎで、暫く使ったが肩こりは改善せず、やがてお役御免となった。「オーダーすれば合うってものじゃない」ことが分かった。枕には重要な要素が幾つかあるようだ。枕には「適度な硬さ」と「熱がこもらない」ことが必要だと分かった。

次はこれだったか。

これがどの様なものだったか今となってはよく分からないが、そんなに安物ではなかったように思う。ありがちな形状をしていて一見良さそうに見えるが、何が駄目って弾力があり過ぎるのが駄目だった。弾力があり過ぎて頭が殆ど沈まないので、なんかこう、兎に角駄目だった。枕にとって「弾力も重要な要素である」ことが分かった。

次に試したのが、「通販生活」で購入したイタリア製の枕だ。イタリアの医療機関で使っているとかいう触れ込みだった。

これは、確かに悪くなかった。快適と感じたので、比較的長く使った方だと思う。次のような特徴があった。

◆ほどよい弾力があり、頭が適度に沈み込む

◆通気性も比較的よく、頭の温度が上がり難い

暫く使い込んだので二代目を購入することにした。

届いたのがこれだったのだが、これは一代目とは全然違うものとなっていた。通販生活の物ってよくあるんだよね、こういうこと。良いと思って買い直したら品質どころか品物自体が変わってたというやつ。これは最初の物とは別物で、低反発ウレタンタイプになっていた。

まあ、これはこれで特段悪いところはなかったのだが、凄く良いということもなく、そのうちもっと良いものがあるのではないかと思い始め、何となく引退となった。人間で言うと、「いい人なんだけどね・・・」という奴だ。結婚相手として決め手に欠ける残念な人タイプだった。

次に試したのが、テンピュールの枕だ。健康診断で胃カメラを飲んだ時にほんの少しだけ胃液の逆流後が見られると指摘され、その対策として上体を少し起き上がらせて軽く斜めにして寝るために購入した大型の枕だ。

逆流性食道炎 枕 でお困りの方専用の枕【Gerd pillow premium】

◆2ピースに分かれたテンピュールの枕に、高さ調節用のクッションが二つ付属

◆テンピュールは、頭へのフィット性は高い

◆熱がこもり易い

通販生活の二代目もそうだったのだが、個人的な見解として、熱がこもり易いテンピュールは枕の素材としては如何なものかと思う。

加えて此奴は、上体を少し起こす役割もあまりうまく果たせなかった。クッションを背中に入れるような形になると、就寝中に身体が落ち着かない。というわけでボツ。何ていうか色々駄目な奴だった。

この後、バスタオルを何枚か重ねて自分に一番合う高さの枕を作る方法をネットで知ったのでやってみたところ、悪くはなかった。悪くはなかったんだが、何となく貧乏臭くてやめた。心が荒んだ・・・。

最近使っているのがこれ。よく分からない製品だ。似たようなのが二つ三つ売られていてどれがオリジナルか分からない。中国製によくあるパターンだ。

飲酒して寝ると鼾をかくようになったことから、気道が塞がらない角度を保てる枕を探して購入したのだが、これが意外と肩こりにもいいことが分かった。

◆上と下とで高さが違う

◆上下どちらにも首の位置にスロープが作ってあって頭の角度を調整し易い

◆ほどよい弾力性がある

駄目なところを挙げるとすれば「中国製」ってところだろう。この表記を見ると何かもうそれだけで気持ちがブルーになる。きっと戦後のメイドインジャパンはこんな感じで見られていたんだろうな。しかし、こと肩こり対策という点に於いては上述のイタリア製の枕よりは良い感じだ。今の処、これで寝た後に肩こりや首のこりは感じないので暫くこれでいこうと思う。

しかし、枕探し・・・いやいやいや、「枕を探すんだ」の旅は一体いつ終わるのだろうか。そう言えば、ゴルフクラブの旅もまだ終わっていないな。

2018.12.28 追加投稿

前回の記事を投稿してから一か月もしていないが、妻の枕にまた一つレパートリーが追加された。整体枕と称するものだ。

高さ調節用のパッドが一枚付属している。

自分用のと似た形状をしているが、並べてみると調節用パッドを入れていない状態で、整体枕の方が大分高さが低い。妻には低めの枕が合う様だ。

最近の機能枕の特徴として共通しているのは首の部分のサポートに配慮されている点と、首側より頭頂部側の方が低くなっているという点が挙げられる。寝姿勢の際の首の骨のカーブが大切なのだろう。気道が確保されて鼾をかきにくくなる効果もあるようだ。

しかし、一体全体我が家には枕が幾つあるんだろうな・・・。