髪の毛を復元してみた

2016年頃から復元ドライヤーというヘアドライヤーが出回っているのは知っていた。熱風が出ないというドライヤーだ。出るのは風と赤外線なのだという。一箇所に当て続けても熱くならないらしい。

それがこれだ。ちょっと気になっていたのだが、ドライヤーとしては高額だ。我が家では市場価格二千円前後のドライヤーしかこれまで使ったことがない。こんなのだ。

だって十分でしょ。ただ熱風が出るだけの機械にそれ以上の価値を感じないよね。何とかイオンが出るとかいう奴はもっと高いが、その何とかイオンって奴は目に見えない。したがって出てるのかどうかすら分からない。信用できん。というわけで、ドライヤーなんぞに金をかける気にはなれなかった。

然るに、復元ドライヤーは発売当初の実売価格で一万五千円を超えていた。普通買わないだろ、そんなもん。だが、つい先日行きつけの理容室に行ってみたら、なんと復元ドライヤーを使っていた。

「おいおい、マスター。あんた前回来た時は違うドライヤーを褒めてたじゃないか。」

「い、いやぁ、だってこれいいんですよ。最近買ったものの中じゃ、これが一番いいですよ。」

「えー。」

ポリシーのない奴だな。万事そんな調子だから未だに独身なんだよ、あんたは。

「髪のまとまりがよくて、一回使えば髪の感触が違うのが分かりますよ。」

そんな訳あるかっ。出てるのは赤外線だろ。復元光線じゃねぇ。

「熱風が出なくて熱くないので、ドライヤーを振って髪に当たる熱量を調節する必要がないですし、肌にも良いんですよ。」

おい、随分押しまくるじゃないか。さてはルーヴルドー(販売元)の回し者か貴様。いつからだ。幾ら貰ったんだ。吐けコラ。

「普通のドライヤーは1200W~1500Wが普通でしょ。でもこれの消費電力は750Wですからエコですよ、エコ。」

「マジか・・・買うか。」

「売ってません。」

「え・・・。」

店頭販売はされていないのだそうで、サロン専用品らしい。一般消費者向けの販売は、正式に販売を委託されているサロンでしか行っていないらしい。じゃあ何で薦めたんだよ。

「でも、ネットで買えますよ。」

「先にそれを言えよ。」

で、買ってみた。妻へのプレゼントとして。だって、いらないもの買うには何かしら理由がいるだろ。

んー、ちょっと電源コードが長過ぎないか。今まで使用していたドライヤーと比べてみたところ、明らかに電源コードが長いし、太い。なるほど、サロン専用品とはそういうことか。しかも少々重いな。ペンより重い物を持ったことのない身にはきついぜ。

だが、確かに消費電力は750Wだ。セレクタはHighとLowしかない。デフォルトで赤外線照射モードで、Coolボタンを押している間だけ冷風即ち赤外線照射がオフになる。取扱説明書にはLowで使うのが効果的とある。Lowなら500W位か。

使ってみると確かに熱くない。熱風ではなく温風だから熱くないというだけの気がしなくもないが、他のドライヤーのように稼働状態に中で電熱線が赤く発熱していたりはしない。怪しいイオンドライヤー(静電気でプラスに帯電した髪にマイナスイオンを吹き付けて相殺と謳っている)と違って見た目で違いが分かり易いぜ。

と思ったのだが、販売元のホームページを見るとこいつもマイナスイオンは放出しているようだ。そしてもっと怪しい表記が・・・「育成光線」。おいぃぃぃ。よく読むと、どうやら波長6~20μm帯の遠赤外線を育成光線と呼んでいるらしい。どうやら、外から見える格子状の白っぽいセラミック(二枚構造になっているらしい)が遠赤外線を放出しているとのこと。これは所謂あれか、岩盤浴とかで使ってる石みたいなものか。

それにしても紛らわしい呼称はやめて頂きたい。どうせならスペシウム光線で髪を守りますとか言って貰ったら、すげぇぇぇとか思うかも知れない。いや、ないな。それはない。あんなのが当たったら髪どころか体ごと消滅する。

さて、使ってみると風量はあるが熱量は少ない感じがするので、夏場はよいが、冬場だと髪の長い女性は少々大変かも知れない。妻よ、すまん。悪気はなかったんだ。

一ヶ月ほど使ってみたところ、確かに髪の手触りが変わってきた気がすると妻が言うので、何かしらの効果を体感できたらしい。プラシーボ効果でないことを祈りたい。何しろ俺には違いがさっぱり分からんからな。

一応、正規品という表示があるものを購入したが、保証書はついていなかった。しかし、販売元からメール連絡があり、保証書は販売元で保管しており、メールに記載の番号で問い合わせなり、修理なりを依頼すれば対応するとのこと。

元々一般消費者向けの販売商品ではないのでそういう対応方法で売っているのかも知れない。若干心配ではあるが、ドライヤー程度の単純な構造の日本製品が保証期間内に壊れる確率は殆ど無いだろうから、気にすることもあるまい。

妻よ、俺は君が喜んでくれさえすれば、それでいいんだ・・・。