バスルームを補修してみた

家を建ててから十数年も経つとあちらこちらに補修が必要になってくる。今回はバスルームの樹脂割れの補修をしてみたのでまとめておく。

最近の☓☓☓樹脂は丈夫である。丈夫なのだが、やはり荷重のかかる部分には経年劣化でひびや樹脂割れが起きてくる。樹脂には大別して熱可逆性樹脂と熱硬化性樹脂があり、日頃目に触れるものだけで20種類近くあって、表記がないと何の樹脂か判別できない。こういう箇所に使われるものは数種類に絞られるのだろうが、プロでもない限り見た目で判断するのは難しく、何だか分からねぇ樹脂という意味で☓☓☓樹脂と表現した。トリプルX樹脂という意味ではない。

鏡周りはこんな具合にひび割れている。

浴槽の下縁、裏に配管のあるシャンプー台、その固定用ステー周辺等も同様だ。

 

ひびならまだしもこれは完全に割れている。これを放置しておくとどうなるかは想像に難くない。鏡なんぞはかなりの重量物で、多分超強力な両面テープで接着されているに違いなく、鏡の重量に耐えられなくなるほどに周囲の樹脂が劣化した場合・・・うん、想像したくないな。浴槽もこのひびが成長したらやばい気がする。入浴中にそれが起きたら、浴室はインフェルノと化してしまうだろう。

当時住宅メーカの担当者に相談したら、既に交換部品はなくユニットバスを丸ごと交換するしかないとか抜かしやがった。

「パパは怒るよ。自分でやれば二千円もあれば補修できるものをわざわざ仕事くれてやると言っているのに、どういう理屈で百万円もかけてユニットバスごと交換するって話になるんだよ。この恩知らずがぁっ。」とこいつの首を刎ねておいた。無論俺の精神世界の中での話だ。こいつは既に三回位首を刎ねている筈なんだが、何度でも蘇って俺の前に現れる不死身の男だ。

よし、補修しよう。こういうものは思い立った時にすぐやらないと未来永劫後回しになる。二度とやる気にならない自信が俺にはある。駄目だ、今実行に移さなければインフェルノになる未来しか想像できない。

この手のものを補修する場合、素人は接着剤で何とかしようとする。しかしそれは下策だ。セミプロの俺はそんなものは使わない。使うのはこれ、プラリペアだ。

またこれか、これしか知らないんじゃないのとか言っている奴等の声が聞こえるが、まったく気にならない。え、接着剤って書いてあるだと。何かの間違いだ。印刷ミスか何かだろう。こんなものが接着剤の訳がない。接着剤というのは、物体同士をネバっとした何かとか、トロっとした何かで繋ぎ合わせるものだ。プラリペアは違う。接着する物体同士の間に敢えて欠損した空間を加工で作り出し、そこに此奴を埋めて固めるのだ。したがって、どちらかと言えばこれは充填剤の類だ。その証拠に此奴は型取りして流し込めば造形することだって出来る。

論より証拠だ。プラリペアは上記の様なひび割れ部分にセメダインの様に塗って接着するなんて真似はできない。まあ出来なくもないが、やっても強度が足りない。しっかりと接着するには下準備が必要だ。まずは彫刻刀を準備する。

年季物の彫刻刀だ。懐かしいな。昔はこれで木版画の四枚或いは五枚刷りで年賀状を作ったものだが、今はパソコンで絵を描くようになったので、彫刻刀の出番は滅多になくなった。だが、今ここに三角刀が再び役に立つ時が来た。ウェルカムバック三角刀。まず三角刀でひび割れの部分をV字に抉る。VゾーンでもVラインでもない。個人的にはVラインが好きだが、ここで必要なのはVラインではなくV字の溝だ。

この様にしてひび割れた部分にプラリペアを充填出来るだけの隙間を作り込んでいく。

抉る、抉る、兎に角抉りまくる。表からヤッたら裏からもヤリたいと思うのが心情だが、今回は外すことが出来ない箇所なので諦めよう。

こうして傷ついた部分を更に抉るには勇気がいるが、他人の傷を抉る行為と一緒で慣れれば快感だ。いい感じに割れ目ちゃんが出来たら、いよいよプラリペアの登場である。

はじめにアクリル樹脂の粉を作業用のカップに分ける。同様にメチルメチクリレートなる成分の専用リキッドもスポイトで作業用のボトルに分け、ニードルを装着する。

アクリル樹脂の粉の上に、ニードルの先から専用リキッドをポタりと垂らすと、液が粉を吸って玉を形成するので、それをニードルの先で串刺しにし、割れ目ちゃんに埋めていく。疚しい事をしているつもりは毛頭ないが、何故だか無性に本能を掻き立てられる。

この様にして次々盛り盛りにしていく。ポイントは、玉を埋める際にリキッドを程よく注入することだ。多過ぎると液垂れして流れ出し、少な過ぎると重合硬化しない。

数分で硬化する。十分に硬化したら強度的には目的とする補修が出来たことになるのだが、このままでは見栄えが悪いので塗装を行うことにする。

塗装するには、表面が平らになるように下処理をしなければならない。そこで再び彫刻刀の出番だ。今度は平刀を使用して、山盛りになった部分を粗方削り取る。

適当でいいのだが、この後サンドペーパーを当てて平滑処理をするので、削り足りないとサンドペーパーで磨く作業が大変になる。

指で触って凸凹が殆ど感じられないところまでサンドペーパーで磨くと塗装の下準備完了だ。

塗装を完璧にやるなら、この後に一旦エポキシパテを盛って、更にもう一度表面処理をする必要があるが、車等の塗装と違い浴室は普段人に見られることはない。したがって概ね傷が目立たない程度に仕上がればよいため、今回はパテ盛りを省略する。プロの仕事ならこれではお金は頂けないが、俺はセミプロだからな。女房子供を満足させられれば男手としては上出来だ。

塗装に入る前に、まずはマスキングだ。塗装は下処理とマスキングが勝負だ。マスキングテープとポリ袋を使って丁寧にマスキングしていく。

さて、いよいよ塗装だが、焦って事に及んだりしてはいけない。ここでいきなりペイントしようとする奴は、頭の足りない奴か常日頃から前戯をしない奴のどちらかだ。塗料は下塗りをしないと定着しないのだ。

まずはプライマーを塗って乾燥させる。樹脂の種類によっては塗料どころかプライマーすら乗らないものもあり、何だか分からねぇ樹脂に塗るには数種類の樹脂に対応するプライマーを選択する必要がある。これを均一に吹きかけた後に塗装スプレーで上塗りをするのだ。

今回の上塗りには、アサヒペンのラッカースプレー「アイボリー色」を使用した。吹きかけ始めは、塗料が均一に噴霧されないため、塗布面の外で吹きかけ始め、塗布面の外で吹きかけ終えることがコツだ。一度に厚塗りをせず、シューッ、シューッ、シューッと数百回に分けて薄く塗り重ねていく。

塗り終えたら完全に乾燥するのを待つ。二時間ほどで乾燥するので、マスキングを剥がす。乾燥する前にマスキングを剥がすと、マスキングテープに塗膜が一緒についてきて剥がれてしまうことがあるので注意が必要だ。乾燥後も慎重を期すため、カッター等で切れ込みを入れてから剥がすとよい。

概ね綺麗に仕上がったと思う。近くで見れば修復跡が分かるが、これなら普段は気にならないだろう。

最後に、コーキングが怪しくなっている部分もついでに補修する。シリコン系のシーリング剤が手軽で良いと思う。

隙間のある部分の両側を軽くマスキングテープで覆い、適当にコーキングする。

その後指先で均し、マスキングテープを剥がす。

こんなところで完成だ。取り敢えずこれで当面はインフェルノは回避できる筈だ。

実はこの様に一見普通に見える浴槽のカバーも・・・

裏側から見るとバリバリに割れまくった跡がある。こちらもプラリペアで三年ほど前に補修済(今回のように塗装もした)の箇所だ。これをやったときはまだプログを始めていなかったので記録がない。

こちらのカバーは端が幾つかの破片に別れ、フックも完全に折れてしまっていた。普通の接着剤だと、この様に接着面積が小さく荷重のかかる物は修復困難だが、プラリペアがあればここまで復元できる。

今年もエアコンを分解清掃してみた

我が家では、冬場の暖房にはガスファンヒーターを使用するので、エアコンの出番は殆ど無い。だから毎年10月頃にエアコンを分解清掃する。夏場に冷房運転した際に取り込んだ埃を放置しておくとカビの温床になるからだ。

埃はフィルターで大半はガード出来るのだが、フィルターをすり抜けた埃は、熱交換器やシロッコファンに付着するのだ。これを取り除かねばならない。お掃除メカがついている機種でもそこまでは掃除してくれない。フィルター掃除だけでは不十分なのだ。

それでは、リビング・ダイニングのエアコンから始める。

分解と言っても勿論取り外したりはしない。カバー類を全て取り除き、熱交換器とシロッコファンを露出させるだけでいい。薄いアルミ合金の板で覆われた熱交換器の中は覗けないが、シロッコファンを見れば状態は一目瞭然だ。

 

この様に、一夏運転したエアコンのシロッコファンには空気中のゴミや油分が付着して汚れている。多分カビも発生しているだろう。エアコンは前面パネルのフィルター内側にある熱交換器から空気を取り込み、熱交換器で加熱または冷却してシロッコファンから風を送り出すという構造なので、シロッコファンがこの状態なら、当然熱交換器の内部も然りだ。

こいつをどうやって取り除くかだが、それにはスチーム洗浄機を使用する。

フローリングのコーティング(過去の投稿)の際にも活躍したケルヒャー製スチーム洗浄機だ。今回はノズル部に細く絞った水蒸気を射出できるアダプタを取り付けている。この作業をする時は多少の養生が必要だ。レジャーシートを敷いてから古新聞を載せておく。そして・・・

熱交換器にぷしゅわぁーーーっ。シロッコファンにぷしゅわーっ。

熱交換器とシロッコファンに水蒸気を吹き込む。これでカビなんぞは埃と油汚れと共に概ね退治できる。

スチームを吹き付けた部分とそうでない部分との違いは歴然だ。このようにしてシロッコファン全体の汚れを取り除く。だが、これで安心してはならない。カビはしつこい。来年もまたエアコンを快適に使用するためには、カビを完膚なきまでに叩きのめしておかなくてはならない。そこで登場するのがこれだ。

アースのエアコン洗浄スプレー。防カビ成分も入っている(らしい)。これで先程と同様に熱交換器とシロッコファンにジュワ~っとやり、シロッコファンの部分はウェスで拭き取る。

カビっぽいものがしっかり除去できたら、外しておいたカバー類を元に戻し、送風運転か暖房運転で内部をよく乾燥させて完成だ。

だが・・・事件は現場で起きていた。あ・・・。

パネルの爪が、はめ込み作業中に折れた。しかも6本中4本。

(゚Д゚)えー。

おいおい三菱電機さんよぉ。おたくでこのエアコンを担当している機構設計の人、大丈夫か。

いや、俺が全然悪くないとまでは言わないよ。十歩譲って1%位は責任を認めよう。だけど、このお掃除メカ付機種の前面パネルは、二枚のパネルを6本の爪で引っ掛けて組み合わせた状態で取り付けないといけない構造になってるんだよ。その状態で本体にはめ込んだらさぁ、押し込む時に爪の部分にどうしたってテコの原理で力が加わるじゃん。

それなのに強度弱過ぎじゃないの。普通さ、こういうのって噛みあわせが悪かったら叩くよね。常識だよね。昔ラジオがならなかったりしたら叩いたじゃん。ユーザーはさ、機械類が自分の思う通りにならなかったら普通叩くんだよ。もう少しジョーシキってものをちゃんと考えて欲しいぜ。

というわけで、前面パネルの爪6本中4本が逝った。Ω\ζ°)チーン

これ、大抵の人にとっては致命的だね。何しろ写真を見ての通り、接着剤でつけるにしても接着面積が小さ過ぎる。尚且つ加重がかかる部分でもある。叩かれる衝撃に耐えなければならない。そして、何よりABS樹脂とかポリカーボネート樹脂等を高強度で接着できる接着剤はなかなかない。つまりヘレンレラーだ。いや、そういう言い方は良くないな・・・三重苦ってやつだ。

しかし、チコちゃんは知っています。それが出来て、しかも場合によっては元より強度が増すブツがあることを。それが・・・

プラリペア。これね、本当に凄いよ。こんな時、ちょっと前まではメーカーに高額な交換部品を売りつけられて泣き寝入りするしかなかった。それが世の中の常識だったんだ。しかし、今は違う。こいつさえあれば、今回のように元の安全率が小さい場合には、たとえ接着面積が極小であろうと、元の強度を超える強さで原状復帰出来るのだ。

このブログの初期の投稿でも紹介したが、まずは接着面の両側から切れ込みを入れ、接着面を合わせる。

次にアクリル樹脂のパウダーに専用工具でメタクリレートのリキッドを垂らし、それを工具の先で突いて取り、接着したい部分に置いてリキッドを垂らしながら均す。

気温にもよるが、数分でアクリル樹脂とメチルメタクリレートのリキッドが重合硬化し、ガッチガチに固定される。

これで元通り。いや、事故機にはなってしまったが、オリジナル以上の価値を持った機材に変身した。バージョンアップだ。オリジナル機は叩きに耐えられなかったがこいつならスパンキングにも耐えられる。凄いぜ、プラリペア。これまで君には一体何度助けられたことか・・・。

さて、気を取り直して、残り3台のエアコンのカビ汚れも退治してしまおう。

分解⇒熱交換器にスチーム⇒シロッコファンにスチーム⇒洗浄スプレー⇒乾燥

分解⇒熱交換器にスチーム⇒シロッコファンにスチーム⇒洗浄スプレー⇒乾燥

 

くどいので3台目は洗浄過程省略で乾燥中。

これで来年もエアコンは快適だ。