チョコレートは好きである。美味しいチョコレート限定で。
妻はチョコレートが嫌いである。板チョコ(塊が嫌いらしい)限定で。
そこで今回は、フランボワーズチョコレートを作ってみた。動機は毎年Vデーに頂く義理チョコのお返しの時期が迫っているから。
義理チョコに小物でお返しすると赤字確定なので、お気遣い無用とお断りしているのだが、未だに義理堅く毎年くれる方がいるので、今年は趣向を変えて、目には目を、歯には歯を、チョコにはチョコをというわけだ。
さて、女性なら市販のチョコレートを砕いて溶かして型に入れ、手作りチョコと称してプレゼントした経験のある人も多いと思うが、実はアレ、貰った方としては特段嬉しくない。ボソ(台無し発言)・・・。
ま、気持ちは嬉しいが、美味しくないのよ、それだと。俺は美味しいチョコ限定で好きなの。
それならテメーで作れよ、と言われるだろう。分かったよ、作ってやろうじゃないの。ザ・フランボワーズ・チョコレートを。
1 材料
まずは材料から。
◆チョコレート
チョコレートは市販のものでいい。高級なものを使えばそれに越したことはないが、安物でもそこそこのものは作れる。コツは甘過ぎないようにすることと、味に複雑さを加えること。要するにブレンドすることだ。
市販のミルクチョコレートは甘過ぎる。かと言ってカカオ70%以上のダークチョコレートだけだと全然甘くないし、それはそれで美味しくない。そこでロッテ・ガーナ・ブラックチョコレートとmeijiミルクチョコレートを二枚ずつ、合計200g用意した。どちらも実売で一枚100円を下回る定番の安物チョコレートだ。
そのままでは食べる気になれない(笑)
◆フランボワールピューレ(ラズベリーピューレ)
これは大抵冷凍品で売っている。フランボワーズとラズベリーは同じものである。使うのは数十グラムなのだが、最低でも250g、多いと1~2Kg単位での販売なので、残りの使い道を考えなければならない。今回は250g用意。ちょっと多かったので、冷凍ラズベリーを買って自分で作ればよかったと思う。
◆転化糖と水飴
これもコツの一つ。転化糖と水飴を添加すると、溶かしたチョコレートを冷やして固めた時に、固くなり過ぎずに口当たりが良くなる。どちらも近くのスーパーなどで300円かそこらのものだ。
◆無塩バターと生クリーム
生チョコ風にしたいので少し用意。
2 手順
(1) チョコレートを湯煎して溶かす
一枚50gの板チョコ4枚、合計200gのチョコレートを刻んで溶かし易くする。
湯煎して溶かす。
(2) フランボワーズソースを作る
チョコレートを湯煎している間に、フランボワーズソースを作る。
フランボワーズピューレ 35g
生クリーム 80g
転化糖 3g
水飴 10g
この配合は、ベルギー王室御用達ショコラティエのピエール・マルコリーニさんが日テレZIPで紹介したレシピに從った。
マルコリーニさんによれば、転化糖や水飴がない場合にラズベリージャムを使ってもできるとのことだが、それだと多分相当甘くなると思うので、その場合はカカオ比率の高いダークチョコレートを使った方がいいだろう。
普段の男料理で創作料理を作る場合は、材料や味付け、調味料の類は目分量で適当にやるのだが、お菓子の場合は絶対に適量を守らないとマジで碌なことにならないので、クッキングメーターを使って正確に計量することをお薦めする。転化糖と水飴なんぞを少しでも入れ過ぎた日には、ベトベトで始末に負えないブツが出来上がること請け合いだ。
上記材料を鍋に入れてよく混ぜ、沸々してくるまで加熱する。
(3) チョコレートとソースを混ぜる
湯煎して溶けたチョコレートに、フランボワーズソースを数回に分けて投入し、よく混ぜ合わせる。
最後に無塩バターを加えてよく溶かす。
(4) 乳化させる
出来上がった材料を冷やして固める前に、ブレンダーまたはミキサーで撹拌して乳化させる。これもコツの一つ。但し、泡立てないこと。
(5) 型に流し入れる
出来上がったチョコレートをZIPロックに入れたら、角を鋏で切って穴を開け、100均で買ったアルミホイルの型に絞り出す。やり方は何でもいい。
(6) 冷やして固める
冷凍庫に入れて冷やして固める。ポイントは冷蔵庫ではなく、冷凍庫。急速に冷やすこと。
フランポワーズの酸味が効いたちょっと複雑な味わいのチョコレートの完成だ。舌触りも滑らかで我ながら実に結構なお手前である。
試作品としてはまあまあかな。本番では何かのリキュールかブランデーで香りをつけたアレンジにしてやろう。
待ってろよ、会社の女子共。俺の女子力を思い知るがいい。キモっ。