スモーキーなスコッチが気に入っていて、かれこれ10年以上ハマってます。
何でもそうですが、ハマるとだんだんエスカレートしますね。辛いものなら、より辛いものを求めるようになるのと同じです。
昔、出張でスコットランドに行った際に、訪問先の会社のスコットランド人の老紳士に蒸留所が経営しているレストランに連れて行って頂きました。
そのときは確か6人、いや7人だったか、それ位いた記憶があります。記憶があるという言い方をしたのは何人で飲んだか覚えていないからですね。何故覚えていないかと云うと、10本位テイスティングしたから。もはやテイスティングとは言えないレベルですが、とにかく楽しかったです。
それ以来スコッチにハマりました。色々飲んできましたが、今回はそういう正当なスコッチの話題ではなくて、ちょっとヤバい話をします。というかネットで数年前にちょっと話題になっていた商品を最近になってまた見かけたので、それのなんちゃってをやってみました。買ってみたという話でもないので悪しからず。
その商品とはこれ。ウイスキーエレメントというもの。
要するにこれ、既に瓶詰めで売っているウイスキーのボトルに入れる熟成樽の木だ。これをボトルに入れると1日~2日で三年分相当の熟成ができるという製品。
でも1本当たり1,000~3,000程する。いや、それだったら最初からそれなりのウイスキー買うでしょ。
で、試してみたのがこれ。言わずと知れたスモークチップ。
いやー、これね、まぁウイスキー樽の粉砕したチップなわけですよ。
でもね、要するにこれ出涸らしって奴でしょ。もうウイスキー樽として使えないからこうなったんだよね。緑茶にしても、紅茶にしても、コーヒーだって、適量淹れたあとのものを使ったって美味しいものできないでしょ。つまりまったく期待薄なわけですよ。
しかもこれ、要するに木屑でしょ。言い換えるとゴミですね。スモークするならいいけれど、漬けたら駄目な気がするんですよ。清潔とはとても思えないから。
というわけで、消毒の意味でちょっと焼きます。
焼けました。少し煙ってます。あまり焦がすと焦げ臭い匂いが出ちゃうからこれが限度。
用意したのはこれ。
はい、ブラックニッカです。当然ですよ。そんないい酒にこんな真似できるわけないじゃないですか。試しに、ちょっと飲んでみました。
キッツいわぁ、さすがプラックニッカ。匂いも味もキツくてストレートなんかじゃ飲めたもんじゃありません。でも少し加水してやるか、氷を落として少ししてからチビリとやると、まあ飲めない酒でもないですね。
しかし、今回は目的が違うので、実験台になってもらいます。勇気を出してこれをザーッと、ボトルに投入。
30時間ほど放置したらこうなりました。なんか色が濃くなってます。良い成分か悪い成分かは分からないけれど、何かが出た模様。怖いです。
まず最初に、酒を一滴も飲めない妻に匂いを嗅がせました。妻は甘い匂いがすると言いました。私も嗅ぎました。ふむ・・・確かに甘い匂い。そこでこれと比較させてみました。
妻は同じ匂いだと言います。そんな訳あるか、と私も嗅ぎます。ふむ・・・似てる。つまり匂いは明らかに良い方向に行きました。飲んだらどうか。
うん、駄目ですね。ウイスキーの香りは、単純に嗅いだだけで分かる部分と、飲んで鼻に抜けることで分かる部分があるわけですが、後者が駄目です。購入直後のキツさは軽減されてますが、なんかこう・・・ちょっと異質な香り。当然ですね。そうだと思ってました。
これらのどれにも遠退くとも近寄らず。
ちょっとセメダイン臭が出たか・・・な。バーボンか。いやバーボンでもない、スコッチでもない・・・バコッチ、いやスコボン・・・なんだこれ。
うーん、これはちょっとなぁ。というわけで、第2段階に進みます。
三段跳びで言うとホップにしくじったステップってヤツです。いや、ゴルフで言うドライバーをしくじったリカバリショット。それも無理して起死回生を狙う感じ。つまり一番やっちゃいけない禁断の技です。
知ってますか。知ってますよね。アイラ島のウイスキーが正露丸の匂いに似てるって。
まず洗って表面のコーティングを少し剥がします。そして投入。3つほど入れました。
6時間ほど経過して匂いを嗅ぐと、クッサ・・・いやここは敢えてスモーキーと言いたい。
もう無理っ。これ以上やったらなんかヤバいものができる。茶こしと漏斗を使ってチップと正露丸を除去。
完成。
飲むか・・・飲むしかねぇよな・・・大丈夫だ、正露丸入りだもん。下痢、食あたり、水あたりに正露丸だ。信じよう。でもストレートは怖いから氷を入れて少し放置。
満を持して試飲。
お・・・なんかちょっとスモーキー感出た。
惜しいっ。なんかかなり惜しいものができた。
んーっ、これは第三段階に進むしかないです。ここで終われません。
(続く)
面白い記事でした。ただ正露丸はないでしょう。
ないですよねぇ、やっぱり。