車のダッシュボードは劣化する
今時の車のウィンドウガラスは基本的にUVカットであり、内装品は紫外線から守られている。中にはUV&IRカットグラスを採用しているものもあるが、車内の高熱化を防ぐほどの効果があるとは言い難い。
特に高熱に晒されるダッシュボードの劣化は、どんな車であれ多かれ少なかれ発生する。新車から10年が経過した我が家の車も例外ではなかった。
一口に劣化と言っても色々あるが、大抵はひひ割れるより前にダッシュボード上面の樹脂がべとついてくる。うちのはまさにこれであり、非常に不味い。まだそれほど酷く劣化しているわけではないが、日が当たって熱くなるとベトベトしてくる。放置しておくと更に劣化が進み、溶けたようになってしまうに違いない。
油断していた
今まで乗り継いできた車も基本的には屋外駐車だったが、思えば常に日射を浴びている場所ではなかった。しかし、現在のマイホームは南側6m道路に面しており、日の出から日の入りまでほぼ太陽がいっぱいである。そんな中、我が愛車はお日様とタイマンを張り続け、遂に負けたのだ。
それではどうするか。
対策はいくつかある
対策する方法は「幾つか」あるな、と考えている内に入社したての頃を思い出した。隣の課に配属になった同期が、その上司である課長に業務上の課題を相談していた時のことだ。
同期「・・・の部分に問題があり、対策方法が見つかりません。」
課長「方法は無限にある。君はまだ検討が足りないのだよ。」
同期「考えられる限りの方法を色々試したのですが駄目でした。」
課長「方法は無限にあるんだよ。もっとよく考えなさい。」
同期「その無限にある方法の一つでいいので、教えて下さい。」
課長「・・・今は言えない。」
同期「・・・」
さて、今回の件の対策であるが、その方法はおそらく「無限」にはない。考えられるのは下記の三つだ。
1 ダッシュボードを交換する 2 ダッシュボードを塗装する 3 臭いものには蓋をする
念の為ググってみたところ、上記の他に「無水アルコールで拭く」などという方法がヒットしたが、そんなことで改善するなど科学的にあり得ないので却下した。劣化した物の表面を拭いたところで、すぐにまた同じことの繰り返しだろう。
やはり、上記の3つの内どれかを選ぶしかあるまい。
さて、どれでいくか。ダッシュボード交換はヤバい。構造的に考えて下手をするとインパネと一体でユニット毎交換になる可能性が高い。費用がいくらになるか怖くてディーラーに聞けない。よって却下だ。
ではダッシュボード塗装はどうか。数万円で施工するという業者が幾つか存在するようだ。しかし、塗装にはおそらく何らかの下地処理が必要になる。劣化した物に上から塗装しても駄目に決まっているからだ。そうなるとシボなども消え、質感も違うものになってしまうに違いない。とすれば、これも却下だ。
よし、この際修復はすっぱり諦めて、臭いものには蓋をすることにしよう。根本的解決にはならないが、何かで覆ってしまえばいいのだ。というわけで、ダッシュボードカバーを付けることにした。
出荷台数がある程度ある車であれば、大抵このようなものが車種専用品として市場に出回っており、インターネット通販で大体一万円前後で入手できるので早速購入してみた。
合わせてみたところ、ジャストフィットとまではいかないが、そこそこそれらしくなりそうだ。ある程度重みがあるので、フロントガラスとダッシュボードの隙間に押し込めば置くだけでも使えそうではあるが、折角なので固定してみることにする。
はじめから数箇所にマジックテープが縫い付けられており、マジックテープの反対側を両面テープで留めるようになっている。
まずはシリコンオフで脱脂する。
マジックテープで留める位置に両面テープを貼る。
それだけではフィット感が足りないので、ダッシュボードの曲面に合わせて浮きが発生しそうな数カ所を市販の両面テープで留める。
残念ながら、この製品には日照センサ用の窓が開いていないため、位置決めした後に追加の穴を開ける。
取り付け完了。まあ、こんなものだろう。
これでダッシュボードのベタついている部分はうまくカバーされ、臭いものは視界から消えた。いい感じだ。
このカバー、内部にスポンジ状の層があり、多少断熱効果も期待できるので、劣化を遅らせることができるだろう。仮に劣化が進んでべとつきが増しても、それならそれでカバーがよりフィットしてくれるのではなかろうか。
まあ、場合によっては諦めることも必要ということだ。