燻製チップを安いウイスキーに漬けてそこそこスモーキーなウイスキーを作ろうという試みだが、前回惜しいものが出来た。
何が惜しいかというと、飲まずに嗅ぐだけならそこそこまともなスモーキーなウイスキーになったが、飲むと頂けない。味と鼻に抜ける香りが今ひとつなのだ。否問題外に近い。
そこで今回はその続編である。
第一段階 ブラックニッカに燻製チップを漬けた ⇒ 今ひとつ(チップの癖が出た)
第二段階 第一段階のウイスキーに正露丸を溶かし込んだ ⇒ 香りだけはそれっぽい
第三段階 スモークガンで燻す
冷燻の手法を使って本当に燻してみようと思う。
普通はこういうのを使う。
いいヤツ
安いやつ
しかし、こんなアホな試みのために本格的なスモークガンを購入する気はない。
煙が出せりゃいいんだろ・・・ってことで、なんちゃって熟成にはなんちゃってスモークガンこそ相応しい。
スモークガンは、「チップを燻して煙を作る⇒煙を吸う⇒煙を出す」というものなので、原理的には空気ポンプと管があれば作れる。
電動ポンプ(空気入れと空気抜き両方出来るもの)
今回用意したのはこれ。1,000円前後の電動ポンプはC国製のものが色々出回っている。悔しいがこの価格帯で手に入れるにはC国製以外に選択肢がない。
乾電池式なら1,000円を下回る価格で購入できるのだが、単一乾電池4つを使用するものしか見当たらない。乾電池は付属しないので、電池代を入れた総額ではAC電源タイプの方が安いと判断した。
おそらくだが、この電動ポンプの吸入部から煙を入れ、吹出口から出すという暴挙に出た場合、燻製を作った経験から言ってポンプの中はヤニだらけになる。当然数回の使用で駄目になるに決まっている。5回も使えれば御の字だろう。その場合電池も無駄になる。
あとは、シリコンか何かの柔らかいチューブ、網、ケーキ作りに使う生クリームを押し出す口金。全部まとめて100均物でいい。
それをこのようにして使う。
吸込口と口金のサイズが合う筈はないので、アルミホイルか何かの熱に耐えられる素材で簡易アダプタを作り、吸込口に口金を乗せる。
ここにチップを入れて着火するのだが、燃えカスがポンプ内に落ちると故障の原因になるので、100均の網を切ってフィルターにする。
吹出口にシリコンチューブを付ける。これで完成。
チップを載せ、電動ポンプのスイッチを入れ、着火する。
着火にはポケトーチがあると便利だ。
使い捨ての100円ライターをバーナー代わりに使える便利グッズである。
煙がパイプから出てきたら早速ボトルに挿入。
あっ、あーっ・・・・
ブクブクブクブクブクブクブクブク。
なんか、この時点でもう終わった感じがするが、やってしまったものは仕方がない。
飲んでみた。
うん、なんちゃってスモークガンは非常に良い出来だと言える。
飲む前の香りはいい。完全にスモーキーなウィスキーだ。
それ以上はコメントを差し控えたい。
実験に失敗はつきものである。
率直に言って、ウイスキーを注いだグラスに、スモークガンの煙を充満させただけの瞬間燻製ウイスキーの方がまだマシじゃなかろうか。
以上