先日、スマホ用外付けレンズをネットで購入した。
スマホは毎年次々と新機種が投入され、その度にカメラ関連の進歩が著しく、ちょっとした撮影にはデジカメを持ち出すまでもなくなってきている。
とは言え、我が家は一台10万円絡みのスマホを毎年交換できるほど裕福ではないので、数年おきにしかその恩恵にはあずかれない。
そこで何が問題になってくるかと言うと、2020年1月現在の私のスマホのカメラ (iPhone XR) では色々と不都合が生じるのだ。それは主に以下の三つである。
1 画角が狭い(広角レンズがない)
2 接写できない(マクロレンズがない)
3 光学ズームできない(望遠レンズがない)
特に1と2は是非欲しい。所詮スマホでの撮影と割り切れば、画質が落ちるディジタルズームを代用すれば、3は絶対になくてはいけないものでもないが、あれば欲しい。1は最近のハイエンド機種には搭載されているが、私のはそれじゃない。
そこで、外付けレンズを試してみることにした。スマホ用の外付けレンズは実に多種多様な製品が出ている。
定番なのは、Moment や tokyo grapher の iPhone 用レンズだろう。この2つは文句なしに良いものだと思う。だが、良いものは例外なく高い。レンズ1つにつき一万円は超えてくるので、どちらも一式揃えたら5万円絡みだ。一眼レフの交換レンズに比べたら安いが、そこまではいらん。
それにこやつらは専用ケースが必要になる。そうじゃなくて、必要な時だけササッと取り替えて使いたいのであって、普段はまったくいらないのよ。
探してみると、あるわあるわ、これもまた例によってC国製の怪しい製品が2千円前後からごまんとある。しかし、中々スタイリッシュなものはない。折角スタイリッシュなiPhoneを使っているのに、野暮ったいものは合わない。そこんとこ大事なんだよ。なんかこう、クリップで挟む的なのは、スーツにスニーカー履いている奴みたいで完全にアウト。
そこで見つけたのがこれだ。X-LENS Pro。
アルミニウム製の取付金具に同じくアルミニウム製のレンズボディ。6千円前後で購入できる。
◆光学2倍のテレレンズ(中途半端過ぎて使えない・・・△)
◆120度の広角レンズ(これが欲しかった・・・○)
◆180度の魚眼レンズ(いらない・・・✗)
◆120倍のマクロレンズ(焦点ガイド付き・・・これはいい○)
◆レンズアダプタ(イン/アウトどちら向きにも取付可能・・・○)
180度の魚眼なんていらないから、もう少し倍率の高い望遠レンズが欲しかったが、値段が値段なので高望みはし難い。
まずは、レンズアダプタを取り付ける。
レンズは、レンズアダプタにスクリュー式で取り付ける。下の写真は左から順番に2倍望遠レンズ、180度魚眼レンズ、120度広角レンズだ。
マクロレンズは、レンズに焦点ガイドを取り付けて使用する。
寄り過ぎるとピントが合わないiPhone本体のカメラレンズも、マクロレンズを取り付ければこのように接写できる。これは結構使える。
魚眼レンズは、下のような写真を撮れるのだが、特に使い道はないかな。望遠レンズも、2倍では微妙過ぎて使えないので、この2つはお蔵入り決定。
問題は広角レンズだった。広角レンズにはディストーションと広角歪みが付き物なのだが、その程度はレンズ設計者の技術と価格のバランスだ。広角の度合いにも依るが、ある程度は抑えることができる。
しかし、 iPhone XR の通常レンズで撮影すると左下のようになる画像が、このレンズだと右下のようになる。製品サイトの使用例とは大分違うなぁ。
広角で撮れてはいるが、広角歪みがちょっと酷い。レンズ口径を大きくとって周辺の歪みの多い部分を使わなければ、そんなに凝ったレンズを構成しなくてもある程度歪みは抑えられるはずなのだが、コスト優先なのだう。もっと歪みの少ないレンズが欲しかった。でもまぁ、この程度なら画像補正すれば何とかなるレベルだ。
歪みを補正できるiPhoneのAppは色々あるが、無料で簡単にできるものとして私がおすすめするのは、SKRWTだ。画像補正のできるAppは色々インストールしてあるが、歪補正にはこれが便利で使い易い。
使い方は至って簡単で、まず対象画像をインポートし、補正したい歪みの種類を選び、スライドを+/-の方向にずらして調整するだけだ。
このように、簡単に歪みのない広角画像が得られる。
風景写真ではここまで目立たないし、広角写真を撮る時は撮影アングルを調整することで、歪みが目立たないように撮るコツもあるが、ここまで歪むレンズだとこのような補正処理が必要になってくる。
そんなわけで、最初に挙げた三つの用途の内、マクロレンズと広角レンズについては、ひと手間いるものの、こんな安物でもそこそこ使える。