ポリカーボネイトのヘッドライトは黄ばみと曇りが避けられない
今や殆どの車に使われているポリカーボーネイト製のヘッドライトカバーは、車の保管状態に依るのだろうが、長期間日照に晒されると熱や紫外線により劣化が進み、やがて黄ばんだり曇ったりしてくる。
我が愛車には、まだそれほど黄ばみや曇りが發生していないが、それでも新車時の状態から比べれば大分黄色みがかかり、多少曇ってきてもいる。
黄ばみ(ヘッドライト)
曇り(ヘッドライト)
黄ばみと曇り(フォグランプ)
最新のデジカメやスマホカメラの性能でも、肉眼で見たままのイメージを写真で再現することは難しい。画像では分かり難いかも知れないが、ヘッドライトとフォグランプを覆うカバーは明らかにくすんでいる。
これは、元々施されていたコーティングが劣化したか、素材のポリカーボネイトが劣化したかのどちらか、或いはその両方だろう。
交換か修復か
どんなパーツでも、傷んだものを元通りに直すには交換するか修復するか二つに一つだ。ヘッドライトカバーの場合は、ヘッドライトアッセンブリ毎交換することになるので、車種にも依るが出費はそれなりの金額になる。うちの車の場合は、アッセンブリ一つにつき7~8万円はするので、当然ながら問題外。修復一択だ。
修復は基本的に一皮剥くだけ
劣化しているのはポリカーボネイトの表面と見られるので、修復は基本的にその表面を削り取ることである。
したがって、金属磨きの「ピカール」、台所用「クリームクレンザー」、お風呂の「ルック」など、コンパウンド入りの物で磨いてやれば、取り敢えず多少はクリアになる。
問題はクリアな状態をどうやって維持するか
当然だが、ただ磨いて一皮剥いただけでは、またすぐに劣化が進んで黄ばみや曇りが発生する。
よって磨いた後は何らかのコーティングをして、ヘッドライトカバーを保護してやる必要がある。
便利なカー用品がある
手軽に済ますなら、磨きとコーティングを一遍にやってくれるカー用品が数種類市販されているので、それを使えば簡単なのだが、その手の物は大抵コーティング被膜が弱く、数ヶ月以内に再発する。
その度にまたやればよいと考えるならそれでもいいが、それも面倒なので本格的にやることにした。つまりこうだ。
1 サンドペーパーで劣化皮膜を完全に取り除く
2 クリアコーティングする
とは言え、取り立てて難しいことは何もない。
マスキングする
サンドペーパーを掛ける際にヘッドライト周りの塗装を傷めないように、軽くマスキングする。腰を傷めないようにパイプ椅子など用意するとよい。夢中になって作業に没頭すると、いつの間にか腰が痛くなっていたりするからだ。
水研ぎする
最初に耐水サンドペーパー#400か#600程度で、黄ばみの元となっているカバーの表面を水研ぎして一皮剥く。耐水ペーパーは二つ折りにして使うと、擦る際に滑らない。
耐水ペーパーを水に漬ける カバーの表面を満遍なく研磨する 黄ばんだ研ぎカスが出る 水で流す 研ぎカスが白くなるまで繰り返す 徐々に番手を上げて表面を均す #1000程度で磨くと半透明になる
半透明になったら磨きは終了。この程度の表面のザラつきはクリアコーテング時に埋まるので問題ない。プライマーを使えないので、塗装を固着する意味で寧ろツルツルになるまで磨かない方がよい。
但し、粗過ぎると塗面が平滑化しないので、まあ程度問題だ。
塗装用にマスキングする
クリアコーティングする前に、しっかりと塗装用のマスキングを行う。スプレーはかなり広範囲に飛散するので、ヘッドライト部分しか塗装しなくても車の前半分を覆う勢いでマスキングすべきだ。
脱脂する
塗る、貼るという工程前には脱脂するのが基本だ。塗装の場合、本来は定着を良くするためにプライマーで下塗りをするのだが、ヘッドライトカバーは光の透過性が命なのでプライマーは使えない。それ故、脱脂をしっかりと行う。
クリアコーティングを行う