我が家では、冬場の暖房にはガスファンヒーターを使用するので、エアコンの出番は殆ど無い。だから毎年10月頃にエアコンを分解清掃する。夏場に冷房運転した際に取り込んだ埃を放置しておくとカビの温床になるからだ。
埃はフィルターで大半はガード出来るのだが、フィルターをすり抜けた埃は、熱交換器やシロッコファンに付着するのだ。これを取り除かねばならない。お掃除メカがついている機種でもそこまでは掃除してくれない。フィルター掃除だけでは不十分なのだ。
それでは、リビング・ダイニングのエアコンから始める。
分解と言っても勿論取り外したりはしない。カバー類を全て取り除き、熱交換器とシロッコファンを露出させるだけでいい。薄いアルミ合金の板で覆われた熱交換器の中は覗けないが、シロッコファンを見れば状態は一目瞭然だ。
この様に、一夏運転したエアコンのシロッコファンには空気中のゴミや油分が付着して汚れている。多分カビも発生しているだろう。エアコンは前面パネルのフィルター内側にある熱交換器から空気を取り込み、熱交換器で加熱または冷却してシロッコファンから風を送り出すという構造なので、シロッコファンがこの状態なら、当然熱交換器の内部も然りだ。
こいつをどうやって取り除くかだが、それにはスチーム洗浄機を使用する。
フローリングのコーティング(過去の投稿)の際にも活躍したケルヒャー製スチーム洗浄機だ。家で使ってる奴はもう古い機種だが、後継機はこれかな。
今回はノズル部に細く絞った水蒸気を射出できるアダプタを取り付けている。この作業をする時は多少の養生が必要だ。レジャーシートを敷いてから古新聞を載せておく。そして・・・
熱交換器にぷしゅわぁーーーっ。シロッコファンにぷしゅわーっ。
熱交換器とシロッコファンに水蒸気を吹き込む。これでカビなんぞは埃と油汚れと共に概ね退治できる。
スチームを吹き付けた部分とそうでない部分との違いは歴然だ。このようにしてシロッコファン全体の汚れを取り除く。だが、これで安心してはならない。カビはしつこい。来年もまたエアコンを快適に使用するためには、カビを完膚なきまでに叩きのめしておかなくてはならない。そこで登場するのがこれだ。
アースのエアコン洗浄スプレー。
防カビ成分も入っている(らしい)。これで先程と同様に熱交換器とシロッコファンにジュワ~っとやり、シロッコファンの部分はウェスで拭き取る。
カビっぽいものがしっかり除去できたら、外しておいたカバー類を元に戻し、送風運転か暖房運転で内部をよく乾燥させて完成だ。
だが・・・事件は現場で起きていた。あ・・・。
パネルの爪が、はめ込み作業中に折れた。しかも6本中4本。
(゚Д゚)えー。
おいおい三菱電機さんよぉ。おたくでこのエアコンを担当している機構設計の人、大丈夫か。
いや、俺が全然悪くないとまでは言わないよ。十歩譲って1%位は責任を認めよう。だけど、このお掃除メカ付機種の前面パネルは、二枚のパネルを6本の爪で引っ掛けて組み合わせた状態で取り付けないといけない構造になってるんだよ。その状態で本体にはめ込んだらさぁ、押し込む時に爪の部分にどうしたってテコの原理で力が加わるじゃん。
それなのに強度弱過ぎじゃないの。普通さ、こういうのって噛みあわせが悪かったら叩くよね。常識だよね。昔ラジオがならなかったりしたら叩いたじゃん。ユーザーはさ、機械類が自分の思う通りにならなかったら普通叩くんだよ。もう少しジョーシキってものをちゃんと考えて欲しいぜ。
というわけで、前面パネルの爪6本中4本が逝った。Ω\ζ°)チーン
これ、大抵の人にとっては致命的だね。何しろ写真を見ての通り、接着剤でつけるにしても接着面積が小さ過ぎる。尚且つ加重がかかる部分でもある。叩かれる衝撃に耐えなければならない。そして、何よりABS樹脂とかポリカーボネート樹脂等を高強度で接着できる接着剤はなかなかない。つまりヘレンレラーだ。いや、そういう言い方は良くないな・・・三重苦ってやつだ。
しかし、チコちゃんは知っています。それが出来て、しかも場合によっては元より強度が増すブツがあることを。それが・・・
プラリペア。
これね、本当に凄いよ。こんな時、ちょっと前まではメーカーに高額な交換部品を売りつけられて泣き寝入りするしかなかった。それが世の中の常識だったんだ。しかし、今は違う。こいつさえあれば、今回のように元の安全率が小さい場合には、たとえ接着面積が極小であろうと、元の強度を超える強さで原状復帰出来るのだ。
このブログの初期の投稿でも紹介したが、まずは接着面の両側から切れ込みを入れ、接着面を合わせる。
次にアクリル樹脂のパウダーに専用工具でメタクリレートのリキッドを垂らし、それを工具の先で突いて取り、接着したい部分に置いてリキッドを垂らしながら均す。
気温にもよるが、数分でアクリル樹脂とメチルメタクリレートのリキッドが重合硬化し、ガッチガチに固定される。
これで元通り。いや、事故機にはなってしまったが、オリジナル以上の価値を持った機材に変身した。バージョンアップだ。オリジナル機は叩きに耐えられなかったがこいつならスパンキングにも耐えられる。凄いぜ、プラリペア。これまで君には一体何度助けられたことか・・・。
さて、気を取り直して、残り3台のエアコンのカビ汚れも退治してしまおう。
分解⇒熱交換器にスチーム⇒シロッコファンにスチーム⇒洗浄スプレー⇒乾燥
分解⇒熱交換器にスチーム⇒シロッコファンにスチーム⇒洗浄スプレー⇒乾燥
くどいので3台目は洗浄過程省略で乾燥中。
これで来年もエアコンは快適だ。