刀の柄は多分こうやって直してたんじゃないか

2月末に父が他界し、自分もこの春に勤め先の会社が変わったこともあり、暫くブログを更新していなかったが、久しぶりに再開することにした。

我が家の先祖はH川家由来の武家なので、「刀」が「家宝」として伝わっている。家宝と言っても宝剣と違って銘柄のあるものではなく、実戦用の刀なので全く価値などはない(と思う)。

その昔、祖父が私にくれたものなのだが、長い間実家に置きっぱなしにしていたら、父が押入れにしまっていたようで、桐の箱やら、刀を包む袋や、柄などが黴びてボロボロになってしまっていた。

このような具合である。侍の魂をこのようにしてしまってご先祖様には申し訳ないが、父のせいだ。

ご存じの方は少ないだろうが、刀の柄は刀身ではない握りの部分(茎という)をサメの皮で包み、それを平紐で巻いたものである。それがこのように平紐が朽ちてしまっている。

刀剣ショップなどに持ち込めば綺麗に直せるのだろうが、宝剣ならともかくこんなものを修理に出す人はいないだろう。というわけで今回もDIYだ。果たして直せるのだろうか。

まずは、黴びた柄をアルコールウェットティッシュで拭く。

刀の柄にはこのように目貫というものが両側に嵌めてある。これは多分金細工ではなかろうか。

さて、ここから平紐を巻いていくわけだが、元の物を観察した上で、似たようなものを「ユザワヤ」で買ってきた。それをまず水に浸ける。濡らしてから巻くと乾燥して締まるからだ。こういう作業の基本の基だね。

それをこのようにして捻じった部分を交差させながら、両側同じようにして巻いていく。こんな作業は参考にする人もいないだろうからサクっといく。

最後に鵐目(しとどめ)に紐を通し、適当に(笑)巻く。多分ちゃんとした縛り方はあるのだろうけど知らん。

いや、だってさぁ、これってテニスラケットのグリップを巻くようなものじゃん。多分昔の貧乏侍はそんなもんだったと思うよ、うん。

というわけで、出来上がり。ボコボコしてるように見えるが、これは柄の両側に少しずらして目貫を編み込んでいることで、握りが滑らないようにしているのであってこれで正しいのだ。

参考までに、鍔の部分は完全に錆びているが、金工象嵌が施してあってちょっと粋である。

なんとなく3mほど買ってきた平紐だが、実にぴったり3mだった。男の直感かしら。

さて、これでなんとか息子に譲れる状態にはなった。万が一我が家に押し込み強盗など来やがったら、刀の錆にしてくれるわ。ふはははは。

 

 

窓シャッターのガチャガチャ音をやっつけろ

何の音だ・・・

雨の日は外が静かで嫌いじゃない。俺はロマンチストだからな。

風が強い日だってそう悪くはない。

マイホームを建てた頃はそんなことも思っていた。

だが・・・。

ガチャガチャガチャ・・・。ガタンガタガタ・・・。ガチャピシガチャピシ・・・。

うるせぇぇぇぇっ。一体何の音だよこれは。

一階、二階の窓に取り付けたシャッターが、段々と風でガタつくようになった。

最初はシャッターのつなぎ目などにガタが来ているのかと思ったのだが、よく観察してみると、どうもそうじゃない。

音の発生源はガイドレールだった

シャッターとガイドレールが干渉して音を立てていた。

何故だ・・・。最初は音なんて鳴らなかったのに。

更によく見てみると、ガイドレールの溝には両側にケバケバがある。どうやらこれがクッションの役割を果たしているらしいのだが、それが摩耗しているせいでクッションの機能を果たせていないらしい。

こんな風に擦り減ってしまっていると、シャッターを閉めた時にガイドレールに干渉してしまうのだ。これではガタガタ鳴るのも通りだ。

調べてみるとこのケバケバの品名はモヘヤと呼ぶらしい。

モヘヤってのはアンゴラ山羊の毛のことなので、断じてこれはモヘヤなどではないのだが、何故かこのブツを称してモヘヤというらしい。

まあいいか。ケバケバの呼び方なんぞ俺には関係ない。問題はこのケバケバが薄毛に悩まされているということだ。

仕方ない。張り替えるか。

モヘヤを調達

やるとなったら、なにはともあれモヘヤを調達しなければならない。

当然種類やサイズってものがあるだろう。

磨り減ってしまっているので、計測した上で元の毛足の長さを推察しながら適合サイズを探す。当たりをつけたらシャッターに使われているものかどうかをググる。こういうものは大抵規格品だから、どのメーカも同じようなものを使っている筈だ。

結論として、幅6mm、毛足の長さ6mmのものが適合品と分かった。

問題はどれだけの量を買うかだが、ネット上には数メートルに小分けしたものと業務用のリール品が出回っている。

我が家にはシャッターが大小合わせて8基ある。ガイドレールはシャッター1基につき2本。ガイドレールの両側にモヘヤがあるので、少なくとも50m以上は必要になる。

これを小分けした品物は、元から割高な上に長さが中途半端なために無駄になる長さが多く、リール品を買うより大幅に高くつく。

よし、業務用のリール品で100m買おう。

しかし、大体こういう時に限ってどういうわけか抵抗勢力=妻が現れる。

「大丈夫なの。そんなの買っちゃって。結局できなくて無駄になったりしないの。」

「(ギクっ・・・)おいおい、待てよ。俺がいつ出来なくて無駄にしたことなんてあったよ(まったくないとは言えないけどさ)。」

「それは・・・ないけど(あったよね)・・・試しにちょっと買って試してみてからにしたらどう。」

「いいんだよ。試し分も込みで100mなんだから。こういうのは素人用に小分けにしてあるものより、プロ用の方が安いし作業性もいいんだ(多分な・・・)。」

「でもあなたはプロじゃないでしょ。」

「俺はセミプロなんだよ(プロって言ったって、そこらのにーちゃんかオッサンだろ、伝統芸能じゃあるまいし、やり方さえ分かれば出来ないことなんてない)。」

「何言ってるのか分からないけど、無駄にしないでよ。」

「あー、分かった分かった(ったく、うるせーな)。」

此奴は一体どうしていつも俺が危ない橋を渡ろうとしているのが分かるのか。実に不思議だ。ドキドキしながら「ポチッ」としようとしている時に限って必ずと言ってよいほど現れやがる。どうやって嗅ぎつけているのだ。

何らかの感知スキルなのか。だとすれば何を感知しているのだろう。まさか俺が何かの汁(いやオーラか)でも垂れ流しているのだろうか。くそっ、まずいな。何だ。俺は一体何を垂れ流してるんだ。さっぱり分からんぞ。

分からんものはしようがないので、とりあえず先に進もう。

モヘヤを交換する

ネットで注文して届いたのがコレ。モヘヤ100m。Made in Vietnam.

まずはガイドレールの取り外しから。と言っても、ガイドレールはビス止めされているだけなので、さっさと外して劣化したモヘヤを取り除く。

既に劣化が進んでいるので簡単に引き抜くことが出来た。

新品と比べると、摩耗しているのが分かる。これでは確かにクッションにならないな。

次は取り外したモヘヤをガイドレールに取り付ける。

モヘヤの取り付けレールが捩じ曲がってしまっているので、ペンチやマイナスドライバーで直した方がよいのだが、形状から見て板金加工されたものではなく鋳物のようなので、下手に力を加えると折れる。よって、とりあえずこのまま作業を続ける。

モヘヤには両面テープ加工が施されている。

つまり、劣化したモヘヤは接着剤も劣化していたから引き抜けたが、逆に新品のモヘヤを差し込むことは困難だ。

ではどうするか。ベースの部分は柔らかいので、片側を斜めに差し込み、ヘラのようなもので反対側を押し込んでやればうまくレール内に入り込んでくれるのではないか。

早速やってみる。モヘヤを斜めにレールに差し込み、マイナスドライバーで押し込む。

うん、まあ確かにこれで入ることは入る。Yes, but・・・

これでは作業性が悪い。1cm進むのに数秒かかる。仮に5秒/cmとしたら、500秒/m。50m以上やるとすると25,000秒。約7時間もこれだけでかかる計算になる。その他の作業も入れると・・・無理ゲーと言わざるを得ない。

おかしい・・・こんなはずじゃなかった。妻の顔が浮かぶ。まずい、まずい、まずい・・・。

プロはどうやってるんだ・・・おそらく何らかの治具を使って効率化しているに違いない。プロがこんなチマチマした作業をやるわけがない。

しかし、原理的には間違っていないはずだ。片側を入れてから押し込むという方法に間違いはない。だとすれば・・・。

車用の「内装剥がし」を使ったらどうか。

最初だけマイナスドライバーで押し込んだら、そこからさきは内装剥がしでぐいーっと引き込んでやると見事に作業性が向上した。

おーっ、これならイケる。

この要領でガンガン作業を進め、一本出来上がった。

左側が交換後。右側が交換前。隙間の幅が全然違う。

慣れてくると更に作業速度が上がり、8基のシャッターのモヘヤ交換が半日で張替え完了した。

効果は一目瞭然だ。

手で押してシャッターを揺らしても、もうガチャガチャ言わない。

スプリングに注油する

ついでなので、シャッターの上げ下ろしに寄与するスプリングに注油しておく。

まずは点検口を開ける。これもボルトオンなので簡単だ。点検口の蓋を外してスプリングを使ったら剥き出しにする。

続いて可動部の軸に注油する。

以上で完成だ。

モヘヤが密着することで振動による干渉音を防げるようになったが、モヘヤの摩擦抵抗が増えた分シャッターの上げ下ろしが若干重くなったが致し方ない。

シャッターの上げ下ろしを軽くするのは、それぞれスプリングの調整をすることで可能である。構造的には

構造的には、スプリングを締めたり緩めたりするだけのように見受けられる。その強さは、バネを留めるボルトの位置を変えるだけで調整される。しかしながら、これはどう考えても専用治具でバネを留めてからボルト位置を調整する必要がありそうだ。それなくして下手にボルトを緩めたりすると、バネが弾けて危険と思われる。

というわけで今回はここまでにしたい。

 

 

 

 

 

100均グッズで燻製にチャレンジ

ウイスキーのスモークという難しいテーマで見事に敗北を味わったので、気分転換にちゃんとした燻製を作ろうと思う。チップが沢山余っちゃってるし・・・。

日本燻製協会の人がYouTubeで紹介している100均グッズでの燻製にチャレンジしてみることにした。

用意したのは、100均のボール二個と丸網だけ。

簡単なのでサクサク進める。まずはアルミホイルを更に被せてチップの台を作る。

それをボールに入れてチップを載せる。

丸網を被せ、そこに素材を載せる。まずは煮玉子、これを燻玉にする。キッチンペーパーでよく水気を拭き取ってからセット。

同じサイズのボールを逆さに被せて中火で加熱。煙が漏れてきたら弱火にして5分ほど加熱。一応換気扇を全開にして、勝手口のドアも開けたが、殆ど煙ることはなかった。

火を止め、10分ほど放置。加熱後すぐに蓋を取るとモクモクと煙が立ち込めてしまうので、煙が下に落ちるのを待つという訳だ。煙は固体だからね。

完成。出来たては若干焦げ臭いので、キッチンペーパーで軽く拭いてから寝かせておく。

同様の手順で、自家製しっとり柔らかチキンも燻製してみた。

どちらもいい感じに出来た。

この後、カマンベールチーズも時間を短めにしてやってみたが、非常に良い出来だった。とてもよく出来たので、ウイスキーをやりながら食べてしまい、写真を撮るのを忘れてしまった。

当然だが、カマンベールは切らずに丸ごとやらないと、燻製中に溶け出してしまうと思うので注意。

尚、作り終わった後のボールはこんなになってしまうので、やる場合は専用品にしておくことをお勧めする。

 

 

スモークガンでウイスキーを燻す

燻製チップを安いウイスキーに漬けてそこそこスモーキーなウイスキーを作ろうという試みだが、前回惜しいものが出来た。

何が惜しいかというと、飲まずに嗅ぐだけならそこそこまともなスモーキーなウイスキーになったが、飲むと頂けない。味と鼻に抜ける香りが今ひとつなのだ。否問題外に近い。

そこで今回はその続編である。

第一段階 ブラックニッカに燻製チップを漬けた ⇒ 今ひとつ(チップの癖が出た)

第二段階 第一段階のウイスキーに正露丸を溶かし込んだ ⇒ 香りだけはそれっぽい

第三段階 スモークガンで燻す

冷燻の手法を使って本当に燻してみようと思う。

普通はこういうのを使う。

いいヤツ

 

安いやつ

 

しかし、こんなアホな試みのために本格的なスモークガンを購入する気はない。

煙が出せりゃいいんだろ・・・ってことで、なんちゃって熟成にはなんちゃってスモークガンこそ相応しい。

スモークガンは、「チップを燻して煙を作る⇒煙を吸う⇒煙を出す」というものなので、原理的には空気ポンプと管があれば作れる。

電動ポンプ(空気入れと空気抜き両方出来るもの)

 

今回用意したのはこれ。1,000円前後の電動ポンプはC国製のものが色々出回っている。悔しいがこの価格帯で手に入れるにはC国製以外に選択肢がない。

乾電池式なら1,000円を下回る価格で購入できるのだが、単一乾電池4つを使用するものしか見当たらない。乾電池は付属しないので、電池代を入れた総額ではAC電源タイプの方が安いと判断した。

おそらくだが、この電動ポンプの吸入部から煙を入れ、吹出口から出すという暴挙に出た場合、燻製を作った経験から言ってポンプの中はヤニだらけになる。当然数回の使用で駄目になるに決まっている。5回も使えれば御の字だろう。その場合電池も無駄になる。

あとは、シリコンか何かの柔らかいチューブ、網、ケーキ作りに使う生クリームを押し出す口金。全部まとめて100均物でいい。

それをこのようにして使う。

吸込口と口金のサイズが合う筈はないので、アルミホイルか何かの熱に耐えられる素材で簡易アダプタを作り、吸込口に口金を乗せる。

ここにチップを入れて着火するのだが、燃えカスがポンプ内に落ちると故障の原因になるので、100均の網を切ってフィルターにする。

吹出口にシリコンチューブを付ける。これで完成。

チップを載せ、電動ポンプのスイッチを入れ、着火する。

着火にはポケトーチがあると便利だ。

 

使い捨ての100円ライターをバーナー代わりに使える便利グッズである。

煙がパイプから出てきたら早速ボトルに挿入。

あっ、あーっ・・・・

ブクブクブクブクブクブクブクブク。

なんか、この時点でもう終わった感じがするが、やってしまったものは仕方がない。

飲んでみた。

うん、なんちゃってスモークガンは非常に良い出来だと言える。

飲む前の香りはいい。完全にスモーキーなウィスキーだ。

それ以上はコメントを差し控えたい。

実験に失敗はつきものである。

率直に言って、ウイスキーを注いだグラスに、スモークガンの煙を充満させただけの瞬間燻製ウイスキーの方がまだマシじゃなかろうか。

以上

ウイスキーのなんちゃって熟成について

スモーキーなスコッチが気に入っていて、かれこれ10年以上ハマってます。

何でもそうですが、ハマるとだんだんエスカレートしますね。辛いものなら、より辛いものを求めるようになるのと同じです。

昔、出張でスコットランドに行った際に、訪問先の会社のスコットランド人の老紳士に蒸留所が経営しているレストランに連れて行って頂きました。

そのときは確か6人、いや7人だったか、それ位いた記憶があります。記憶があるという言い方をしたのは何人で飲んだか覚えていないからですね。何故覚えていないかと云うと、10本位テイスティングしたから。もはやテイスティングとは言えないレベルですが、とにかく楽しかったです。

それ以来スコッチにハマりました。色々飲んできましたが、今回はそういう正当なスコッチの話題ではなくて、ちょっとヤバい話をします。というかネットで数年前にちょっと話題になっていた商品を最近になってまた見かけたので、それのなんちゃってをやってみました。買ってみたという話でもないので悪しからず。

その商品とはこれ。ウイスキーエレメントというもの。

要するにこれ、既に瓶詰めで売っているウイスキーのボトルに入れる熟成樽の木だ。これをボトルに入れると1日~2日で三年分相当の熟成ができるという製品。

でも1本当たり1,000~3,000程する。いや、それだったら最初からそれなりのウイスキー買うでしょ。

で、試してみたのがこれ。言わずと知れたスモークチップ。

いやー、これね、まぁウイスキー樽の粉砕したチップなわけですよ。

でもね、要するにこれ出涸らしって奴でしょ。もうウイスキー樽として使えないからこうなったんだよね。緑茶にしても、紅茶にしても、コーヒーだって、適量淹れたあとのものを使ったって美味しいものできないでしょ。つまりまったく期待薄なわけですよ。

しかもこれ、要するに木屑でしょ。言い換えるとゴミですね。スモークするならいいけれど、漬けたら駄目な気がするんですよ。清潔とはとても思えないから。

というわけで、消毒の意味でちょっと焼きます。

焼けました。少し煙ってます。あまり焦がすと焦げ臭い匂いが出ちゃうからこれが限度。

用意したのはこれ。

はい、ブラックニッカです。当然ですよ。そんないい酒にこんな真似できるわけないじゃないですか。試しに、ちょっと飲んでみました。

キッツいわぁ、さすがプラックニッカ。匂いも味もキツくてストレートなんかじゃ飲めたもんじゃありません。でも少し加水してやるか、氷を落として少ししてからチビリとやると、まあ飲めない酒でもないですね。

しかし、今回は目的が違うので、実験台になってもらいます。勇気を出してこれをザーッと、ボトルに投入。

30時間ほど放置したらこうなりました。なんか色が濃くなってます。良い成分か悪い成分かは分からないけれど、何かが出た模様。怖いです。

まず最初に、酒を一滴も飲めない妻に匂いを嗅がせました。妻は甘い匂いがすると言いました。私も嗅ぎました。ふむ・・・確かに甘い匂い。そこでこれと比較させてみました。

妻は同じ匂いだと言います。そんな訳あるか、と私も嗅ぎます。ふむ・・・似てる。つまり匂いは明らかに良い方向に行きました。飲んだらどうか。

うん、駄目ですね。ウイスキーの香りは、単純に嗅いだだけで分かる部分と、飲んで鼻に抜けることで分かる部分があるわけですが、後者が駄目です。購入直後のキツさは軽減されてますが、なんかこう・・・ちょっと異質な香り。当然ですね。そうだと思ってました。

これらのどれにも遠退くとも近寄らず。

ちょっとセメダイン臭が出たか・・・な。バーボンか。いやバーボンでもない、スコッチでもない・・・バコッチ、いやスコボン・・・なんだこれ。

うーん、これはちょっとなぁ。というわけで、第2段階に進みます。

三段跳びで言うとホップにしくじったステップってヤツです。いや、ゴルフで言うドライバーをしくじったリカバリショット。それも無理して起死回生を狙う感じ。つまり一番やっちゃいけない禁断の技です。

知ってますか。知ってますよね。アイラ島のウイスキーが正露丸の匂いに似てるって。

まず洗って表面のコーティングを少し剥がします。そして投入。3つほど入れました。

6時間ほど経過して匂いを嗅ぐと、クッサ・・・いやここは敢えてスモーキーと言いたい。

もう無理っ。これ以上やったらなんかヤバいものができる。茶こしと漏斗を使ってチップと正露丸を除去。

完成。

飲むか・・・飲むしかねぇよな・・・大丈夫だ、正露丸入りだもん。下痢、食あたり、水あたりに正露丸だ。信じよう。でもストレートは怖いから氷を入れて少し放置。

満を持して試飲。

お・・・なんかちょっとスモーキー感出た。

惜しいっ。なんかかなり惜しいものができた。

んーっ、これは第三段階に進むしかないです。ここで終われません。

(続く)

 

 

カーバッテリーの補充電

かれこれ30年前になるだろうか。初めて新車を購入した際、嬉しくて車にあれこれ取り付けた。まあ兎に角色々だ。面白そうと思ったものを片っ端からつけた覚えがある。

それから何世代か経て今の車があるわけだが、購入してからバッテリー上がりが一度あり、バッテリーを交換した。

その前の車は二度バッテリーを交換した。内一度はオルタネータが故障して発電できなかったせいなので仕方がないが、それでも一度は確実にバッテリーの寿命と見られる。

車用のバッテリーは大抵寿命3~4年とされている。だが、初めて購入した車のバッテリーは7年半一度も上がることなく交換もしなくて済んだ。

何が違うのか。思えば最初の車にはソーラーチャージャーをつけていた。太陽電池セルをバッテリーに直結していたのだ。しかし、30年前と言えばそんな製品が初めて出始めた頃だ。太陽電池の発電効率もかなり低かった筈で、当時はオモチャみたいなものだと思っていた。しかし、違いとして考えられるのはそれくらいだ。車を運転する頻度にそれほど差はない。

そして、今の車は2年前にバッテリー交換したにも関わらず、もう怪しい気がする。何となくアイドリングが頼りない時があるのだ。

そこで、またいけない虫が騒ぎ出した。そして購入してしまった。だって今は太陽電池の発電効率は大幅に改善された筈だよ。そうでしょ。そうだよね。そうに違いないってば。

ポチッとやった。届いた。パッケージを開けた。最近はこのプロセスが物凄く短くなった。時間効率にしたら、おそらく太陽電池の発電効率の向上を遥かに上回っている。

そういうことを考え始めるとなんか負けた気になるので、考えるのをやめる。いいんだ、これでいい。

購入サイトにはカナダ製とあるが、勿論Made in Chinaだ。一応日本語取説も付属しているが、情報量はパッケージに書かれている域を超えないので、役立たずと言っていい。購入サイトに「取扱説明書(日本語)」とわざわざ書いてある時点でこれは想定の範囲内だから構わない。

パッケージに含まれているのは、太陽電池セル本体と接続コードが3種類。

まあ、見りゃ分かるよ。シガーソケットアダプタ、バッテリー直結用の鰐口クリップ、ヒューズ接続用コード(大小のヒューズを交換可能)の3種類だね。それに補充電に使うものなんだから、取説なんてなくてもバッテリーに並列接続するものだということくらい猿でも分かる。いや猿じゃ分からんか。小4をクリアできた人なら誰でも分かる。

まず最初に分かることはシガーソケットアダプタなんていらない。だってこれはエンジンかかってない時にバッテリーを補充電するものなわけだ。シガーソケットはエンジンがかかってないと通電されない。つまり意味がない。何故こんなものつけてるのか。

二番目に分かることは、バッテリー直結用の鰐口クリップなんていらない。ジャンパーコードじゃあるまいし、こんなもの使えるかよ。走ってる内に外れちゃうに決まってる。何故こんなものつけてるのか。

三番目に分かることは消去法でヒューズ接続コードしか使えないということだ。そしてここから先は少し想像力が必要らしい。ヒューズのアンペア数がパッケージにも取説にも書いてない。

上の写真を見れば分かる通り、接続コードの途中には別途ヒューズが付いている。したがって、この製品そのものがラリった時にはそのヒューズがまず切れるから問題ない。

しかし、この製品自体は車両側の常時電源が供給される場所のヒューズを抜き、ブリッジ接続コード付きのヒューズと交換するものだ。常時電源が供給されるどの容量のヒューズと交換すべきか、その情報がないわけだ。

そこでケーブルをじっと見る。うちの車は小さいタイプのヒューズを使用してるから付属コードも小さいヒューズのものに差し替えるとして、重要なのは色だ。

うん、青いね。青だから、まあ普通は車両側の15Aヒューズと交換すればいいのかなと想像した。合ってるかどうか分からないが、それしか判断材料がないからね。

そこで常時電源が供給されている電装品のヒューズで、容量が15Aのもので、且つ室内のヒューズボックスであることを条件に選定した。

調べたところ、それは運転席側ヒューズボックスなら「ドアロック開閉」、助手席側ヒューズボックスなら「ドアミラーヒーター」の何れかしかないことが判明した。何故にドアミラーヒーターが常時電源なのかは解せないが、そうなっているのだから受け入れよう。余計なことで悩むとメンタルケアが必要になってしまう。例え納得できなくても受け入れるしかないことは世の中には沢山あるんだ。ドアミラーヒーターが常時電源になっている理由なんて考えなくていい。

それを受け入れた上でどちらのヒューズを選ぶか。熟慮すべきはこっちなんだ。ドアミラーヒーターが常時電源である必然性で悩むべきじゃない。

そしてこれは、太陽電池セルの置き場所を運転席側にするか助手席側にするかということで決めていい問題でもない。この製品のせいでヒューズが吹っ飛んだ場合、どちらが致命的かで判断すべきだ。

「ドアロック開閉」のヒューズが逝ってしまうのはどう考えてもまずい。しかし、「ドアミラーヒーター」のヒューズなら致命傷にはなり得ない。

ということで迷わず助手席側のヒューズボックスに接続することとした。置き場所も自ずと助手席側になる。
助手席側ヒューズは発煙筒の隣りにあった。該当ヒューズを抜いて本品付属のコードと差し替える。

マイナス側はボディアースに接続する。ヒューズボックスを止めているビスがボディアースになってるかどうか分からないし、アースが浮いてる可能性があるので、確実にボディアースになっているところを探して接続した。うちの車(DBA-GSE20)の場合はグロープボックス横のプレートを外すと現れる隙間の奥にアースポイントがあった。

ここまでできれば本体と接続するだけである。

まず本体を設置する。

Aピラーを外してケーブルを通す。ケーブルがSRSエアバッグに被ってしまわないように注意する。

ケーブルが見えないようにグローブボックスの脇に落とす。

ヒューズ側配線と繋ぐ。

接続完了。本体を吸盤でフロントガラスに貼り付けて完成。

運転席側からの視界。目障り(笑)。

若干目障りだが、ダッシュボードが日照で傷まないようにアルミシートの日除けを置くことを考えると、ダッシュボードに置いたのではシートが被ってしまって発電できない。

そのうち慣れるだろう。

参考(ラチェット式メガネレンチ)

今回アースポイントのボルトを緩めるのに使ったラチェット式メガネレンチである。スパナではまったく緩めることができなかった。裏表で8mm、10mm、12mm、13mmの本締めに対応できる。これ一本あると非常に便利だ。

エアコンの室外機にカバーは必要か

今年の夏は暑かった。一体何日30℃を超える日があったのだろう。

子供の頃は30℃を超える日なんて滅多になかった。と思う。

そして今年初めてエアコンを一晩中つけっぱなしにしてネタ。いや寝た。

言っておくがケチ臭いからじゃない。エアコンをつけっぱなしにして寝ると、どうも起床時に体がだるくなってしまうからだ。

だが、今年の夏はどうしようもなかった。結局リビングも朝からエアコンを稼働させた。最終的にすべての部屋で24時間エアコンがつけっ放しになった。

コロナ騒動のせいで、一人暮らしをしていた息子達も在宅勤務で我が家で仕事をするようになった。一体今年の夏の電気代はいくら請求が来るのだろう。いやケチ臭いことは言うまい。

ふと考えると、4台あるエアコンの内、一台だけ室外機がベランダにある。当然だがベランダは南向きだ。残り3台の室外機は東面に1台、西面に2台どちら側にも家が建っており、日光が当たる時間はそう長くはないはずだ。だが、この1台だけは直射日光が当たりっぱなしだ。

うん、暑そうだ。いや熱い。天板なんか触れないほど熱い。

こいつは要するに熱交換器だ。熱い空気を外に排出している働き者だ。それなのにこんなに熱くていいのか。いい筈はない。ないのだが・・・

今まで室外機のカバーなんていらんっと思っていた。だって室外機の天板が熱いって言ったって、天板自体が室外機のカバーじゃん。室外機の本体は中身よ中身。天板の温度なんてカンケーねぇじゃん。

しかしよく見ると、放熱フィンに日光が当たっちゃってる。うーん、これも関係ないと言えるだろうか・・・言えないな。仕方がない。今年は仕方がないよ。

というわけで、遂に室外機カバー導入に踏み切ることにした。まあこれ。

 

しかし、ところが、だけれども、肝心の放熱フィンに日が当たっちゃってるよ。駄目じゃん。
仕方がない、横板を自作しよう。
プラ板を用意。何故かこの手の工作用の素材は常に家にある。それをカット。
アルミガラスクロステープを貼り付ける。太陽光線を反射したいからね。
しかし、これだけだと耐候性が心配なので荷造り用の透明テープでコーティング。
完成。
アルミのパンチ板を購入して貼るという手も考えたが、それだけで¥3,000~¥4,000してしまうので勿体ない。
ただコレ、両面テープで貼り付けたので台風がちょっと心配ではある。一応耐候性のある強力両面テープを使用したが堪えられるかどうか、その結果は間もなく出るだろう。

アルミホイールのガリ傷をリペアしてみた

アルミホイールがガリ傷だらけ

勘弁して欲しいと思うのは私だけだろうか。妻や息子達はアルミホイールに傷がつくのを全然気にしてくれない。否、アルミホイールに傷がつかないように運転する技量がないか、若しくは傷をつけたという自覚すらなく運転している可能性もある。かくして愛車のアルミホイールはガリ傷だらけである。

フロントのアルミホイール二本は一度新品に替えている。それでもこの有様だ。

これは、フロント左のアルミホイールであるが、ほぼ全周イッてる。それだけじゃない。リアの左右もそれぞれ一箇所ずつガリ傷がある。ないのはフロント右だけだ。リア左はまだ分かる。縦列駐車した時にでもやったのだろう。しかし、リア右なんて、一体どうやったらガリ傷がつくのだろうか。

しかし、ここで妻や子供達に小言を言ったところで、本人達に自覚がない以上自分じゃないと言うに決まっている。下手をすれば「あなた(お父さん)がやったのかも知れないじゃない。」などと言い出しかねない。

「そんなわけあるかっ。」と怒ったところで、既についたガリ傷がなくなるわけではないし、弁償しろなどと言う訳にもいかず、悲しみに暮れながら今日も修理に精を出すのだ。

さて、アルミホイールの修理は次のように行う。

1 サンドペーパーをかけて表面のささくれをなくす
2 脱脂する
3 パテで埋める
4 サンドペーパーをかけて表面を均す
5 脱脂する
6 塗装する

では早速いってみよう。今日は35℃・・・気温がヤバイけどお父さんは頑張るよ。

まずは最初のサンドペーパーだが、ちんたらやってられないので#100でやっちゃうぜ。

こんな感じで、全体いっとく。

次は、傷の深い部分にパテを埋めるためマスキングする。

今回使うパテはコレ。アルミパウダー配合のHoltsアルミパテ。

 

本剤と硬化剤を1対1で混ぜ合わせろと説明書きにあるので、その通りにする。
パテの類は硬化の過程で多少痩せるので、少し多めに塗るのが鉄則だが、山盛りにすると後で削るのが大変なので、パテ盛りは多過ぎず少な過ぎず適度にやる。まぁ、こんな感じね。
暫し硬化を待つ。気温が高いので二時間ほどでいいだろう。硬化したらサンドペーパーで均す。
アルミパテは目が細かくないので、大体こんな感じになる。大きな溝は概ね埋まったが、指で触ると若干埋めきれていない凹みを感じる。
この段階で細かい傷が埋めきれていない場合は、更に目の細かいパテで埋める。これには、アルミパテと同じHoltsから出ている「光硬化イージーパテ」を使ってみる。

使い方は至って簡単だ。チューブから直接補修部にパテを押し出し、ヘラで均すだけ。実に簡単でいい。
光に当たるとすぐに硬化が始まるので、手早く作業する。日陰だとなかなか硬化しないので、作業したら日向に出すとよい。10分程度で硬化するので再びサンドペーパーで均す。
暑くて、やってられん。これも#100でズリズリやっちまえ。最後に#320~#400でちょっと丁寧に均したが、この段階になると、やっちまった感が結構ある。もう元通りにはならないんじゃないかという不安が込み上げてくるが、なんとかなるだろう。指で感じるような凹凸があると、塗装面に響いていまうので、しっかりサンドペーパーで均す必要があるが、熱射病で倒れそうなので適当なところでやめた。
次は塗装だ。ここまでやっちまうと、スプレー塗装せざるを得ないので、塗装用にマスキングし直す。暑過ぎるのでちょっと手抜きしたが、ここでも脱脂はしっかりやっておく。本当はここでプライマーで下塗りすべきなのだが、もう暑くてムリ。
さて、塗装用の塗料であるが、色を指定して調合して貰ったスプレー塗料を買ってきてもよいのだが、面倒くさいのでタッチペン用の塗料をスプレー塗装器に変身させてくれる便利グッズ「タッチガン」を使ってみることにした。

塗料は、Holtsのホイール用のタッチペンを使うのだが、通常のシルバーだと色が少し明るくてうちの車のホイール色に合わないため、黒を混ぜて調色することにした。

これらのタッチペン塗料をスプレー塗料にするための希釈キットがこれだ。

上記の希釈ボトルの中には、ホイール用タッチペン1本分をスプレー噴霧するために必要な量のシンナーが入っているので、この希釈ボトルの中にタッチペンの塗料を入れて使う。
まずは希釈ボトルの中に付属の漏斗でシルバー塗料を入れる。
次に適量のブラック塗料を入れ、蓋をしてよく振って混ぜる。
適度に調色出来たことを確認したら、タッチガン本体にセットする。
いよいよ塗装にかかる。例によって、薄く噴霧しては10分程度乾燥させ、また薄く噴霧して乾燥させる。適度に着色された塗膜が出来るまで、これを何度か繰り返す。
本来は全体を塗るのがよいのだろうが、今回は端からそのつもりはないので、サンドペーパーをかけた部分のみ塗装したら、少し乾燥させてからクリアでぼかす。
ぼかし効果と艶出し効果を兼ねて使うのはコレ。

これで、塗装した部分より少し広めにシュワ~っとスプレーしておく。一度目でボカシ、二度目で艶出しの様なイメージで塗り重ねるとよい。
作業終了。
 
よく見ると、暑さに堪え切れずにサンドペーパーがけが雑になってしまった部分に粗が見られるが、一見したら殆ど分からない。他人の車のホイールをジロジロ見るような奴は査定屋を除けば殆どいないし、多少ブレーキダストを被ってしまえば全く修復跡は分からないだろう。
あ~、暑くて死ぬかと思った。気温35℃の日に炎天下で作業するのはやめた方がいいな。

死んだ魚の目のようになったヘッドライトを修復する

ポリカーボネイトのヘッドライトは黄ばみと曇りが避けられない

今や殆どの車に使われているポリカーボーネイト製のヘッドライトカバーは、車の保管状態に依るのだろうが、長期間日照に晒されると熱や紫外線により劣化が進み、やがて黄ばんだり曇ったりしてくる。

我が愛車には、まだそれほど黄ばみや曇りが發生していないが、それでも新車時の状態から比べれば大分黄色みがかかり、多少曇ってきてもいる。

 黄ばみ(ヘッドライト)

 曇り(ヘッドライト)

 黄ばみと曇り(フォグランプ)

最新のデジカメやスマホカメラの性能でも、肉眼で見たままのイメージを写真で再現することは難しい。画像では分かり難いかも知れないが、ヘッドライトとフォグランプを覆うカバーは明らかにくすんでいる。

これは、元々施されていたコーティングが劣化したか、素材のポリカーボネイトが劣化したかのどちらか、或いはその両方だろう。

交換か修復か

どんなパーツでも、傷んだものを元通りに直すには交換するか修復するか二つに一つだ。ヘッドライトカバーの場合は、ヘッドライトアッセンブリ毎交換することになるので、車種にも依るが出費はそれなりの金額になる。うちの車の場合は、アッセンブリ一つにつき7~8万円はするので、当然ながら問題外。修復一択だ。

修復は基本的に一皮剥くだけ

劣化しているのはポリカーボネイトの表面と見られるので、修復は基本的にその表面を削り取ることである。

したがって、金属磨きの「ピカール」、台所用「クリームクレンザー」、お風呂の「ルック」など、コンパウンド入りの物で磨いてやれば、取り敢えず多少はクリアになる。

問題はクリアな状態をどうやって維持するか

当然だが、ただ磨いて一皮剥いただけでは、またすぐに劣化が進んで黄ばみや曇りが発生する。

よって磨いた後は何らかのコーティングをして、ヘッドライトカバーを保護してやる必要がある。

便利なカー用品がある

手軽に済ますなら、磨きとコーティングを一遍にやってくれるカー用品が数種類市販されているので、それを使えば簡単なのだが、その手の物は大抵コーティング被膜が弱く、数ヶ月以内に再発する。

その度にまたやればよいと考えるならそれでもいいが、それも面倒なので本格的にやることにした。つまりこうだ。

1 サンドペーパーで劣化皮膜を完全に取り除く

2 クリアコーティングする

とは言え、取り立てて難しいことは何もない。

マスキングする

サンドペーパーを掛ける際にヘッドライト周りの塗装を傷めないように、軽くマスキングする。腰を傷めないようにパイプ椅子など用意するとよい。夢中になって作業に没頭すると、いつの間にか腰が痛くなっていたりするからだ。

 

水研ぎする

最初に耐水サンドペーパー#400か#600程度で、黄ばみの元となっているカバーの表面を水研ぎして一皮剥く。耐水ペーパーは二つ折りにして使うと、擦る際に滑らない。

 耐水ペーパーを水に漬ける カバーの表面を満遍なく研磨する 黄ばんだ研ぎカスが出る 水で流す  研ぎカスが白くなるまで繰り返す 徐々に番手を上げて表面を均す  #1000程度で磨くと半透明になる

半透明になったら磨きは終了。この程度の表面のザラつきはクリアコーテング時に埋まるので問題ない。プライマーを使えないので、塗装を固着する意味で寧ろツルツルになるまで磨かない方がよい。

但し、粗過ぎると塗面が平滑化しないので、まあ程度問題だ。

塗装用にマスキングする

クリアコーティングする前に、しっかりと塗装用のマスキングを行う。スプレーはかなり広範囲に飛散するので、ヘッドライト部分しか塗装しなくても車の前半分を覆う勢いでマスキングすべきだ。

脱脂する

塗る、貼るという工程前には脱脂するのが基本だ。塗装の場合、本来は定着を良くするためにプライマーで下塗りをするのだが、ヘッドライトカバーは光の透過性が命なのでプライマーは使えない。それ故、脱脂をしっかりと行う。

クリアコーティングを行う
いよいよクリアコーティングを行うのだが、クリアラッカー塗料なら何でもよいという訳ではない。車が高速で移動する際、空気中の塵や埃、虫、砂などが絶えずボディ全体を攻撃してくるので、塗膜が固くないとすぐに傷だらけになってしまう。
したがって、完全に硬化するタイプの塗料を使う必要がある。今回は下記のものを使用した。

別にこれじゃなきゃいけないというわけでもないので、類似のもので好きのものを使えばよいと思う。塗料ではなく、溶剤を気化させて吹き付けるという方法もあるようだ。
此奴は二液性(塗料と硬化剤を混ぜるタイプ)なので、はじめに下側のキャップを外し、突き出ている棒を押し込むことで塗料と硬化剤を混ぜ合わせる。この状態で5~10分放置。
その後、よく振ってから塗装を行う。
最初は20cmほどの距離から軽く全体を粗吹きをする。
10分ほど乾燥させてから、もう一度粗吹きする。
 
また10分ほど乾燥させ、三度目辺りから本格的に吹き付けていく。
👉粗吹きの時より少し近い距離(15cm程度)から一定の距離(近過ぎても遠過ぎても駄目)を保ちながら均等に吹き付けていく。
👉塗装範囲外から吹き付け始め、塗装面を通過して塗装範囲外へ出たところで吹付けを止める要領で、何度も往復するのがコツ。
👉塗装面が曲面なので、腕を左右に動かすだけではヘッドライト中心から周囲に向けて噴射口からの距離が遠くなるため、周縁部への吹付けが粗くなり易い。吹付けが粗いと表面が塗料で濡れる前に乾くので滑らかにならない。
👉ある程度の密度で塗料を吹き付ければ、濡れた塗料が乾く過程で馴染んで塗面が平滑化するので、塗面をよく見ながら吹き付ける。
👉垂直面は液垂れし易いので、一度に平滑化しようとせず、吹き付け過ぎに注意しながら薄く塗っては乾かすようにするとよい。
5回ほど塗り重ね、塗り残しがないことを確認したら終了。
以上で完成。12時間で完全硬化する。吹付け後数時間はまだ塗膜が柔らかいので運転しない方がよい。
 如何だろうか  新品の如きクリアな輝きが戻った  黄ばみもない
これならまた数年はこの状態を保てるだろう。

劣化したダッシュボードをどうするか

車のダッシュボードは劣化する

今時の車のウィンドウガラスは基本的にUVカットであり、内装品は紫外線から守られている。中にはUV&IRカットグラスを採用しているものもあるが、車内の高熱化を防ぐほどの効果があるとは言い難い。

特に高熱に晒されるダッシュボードの劣化は、どんな車であれ多かれ少なかれ発生する。新車から10年が経過した我が家の車も例外ではなかった。

一口に劣化と言っても色々あるが、大抵はひひ割れるより前にダッシュボード上面の樹脂がべとついてくる。うちのはまさにこれであり、非常に不味い。まだそれほど酷く劣化しているわけではないが、日が当たって熱くなるとベトベトしてくる。放置しておくと更に劣化が進み、溶けたようになってしまうに違いない。

油断していた

今まで乗り継いできた車も基本的には屋外駐車だったが、思えば常に日射を浴びている場所ではなかった。しかし、現在のマイホームは南側6m道路に面しており、日の出から日の入りまでほぼ太陽がいっぱいである。そんな中、我が愛車はお日様とタイマンを張り続け、遂に負けたのだ。

それではどうするか。

対策はいくつかある

対策する方法は「幾つか」あるな、と考えている内に入社したての頃を思い出した。隣の課に配属になった同期が、その上司である課長に業務上の課題を相談していた時のことだ。

同期「・・・の部分に問題があり、対策方法が見つかりません。」

課長「方法は無限にある。君はまだ検討が足りないのだよ。」

同期「考えられる限りの方法を色々試したのですが駄目でした。」

課長「方法は無限にあるんだよ。もっとよく考えなさい。」

同期「その無限にある方法の一つでいいので、教えて下さい。」

課長「・・・今は言えない。」

同期「・・・」

さて、今回の件の対策であるが、その方法はおそらく「無限」にはない。考えられるのは下記の三つだ。

1 ダッシュボードを交換する

2 ダッシュボードを塗装する

3 臭いものには蓋をする

念の為ググってみたところ、上記の他に「無水アルコールで拭く」などという方法がヒットしたが、そんなことで改善するなど科学的にあり得ないので却下した。劣化した物の表面を拭いたところで、すぐにまた同じことの繰り返しだろう。

やはり、上記の3つの内どれかを選ぶしかあるまい。

さて、どれでいくか。ダッシュボード交換はヤバい。構造的に考えて下手をするとインパネと一体でユニット毎交換になる可能性が高い。費用がいくらになるか怖くてディーラーに聞けない。よって却下だ。

ではダッシュボード塗装はどうか。数万円で施工するという業者が幾つか存在するようだ。しかし、塗装にはおそらく何らかの下地処理が必要になる。劣化した物に上から塗装しても駄目に決まっているからだ。そうなるとシボなども消え、質感も違うものになってしまうに違いない。とすれば、これも却下だ。

よし、この際修復はすっぱり諦めて、臭いものには蓋をすることにしよう。根本的解決にはならないが、何かで覆ってしまえばいいのだ。というわけで、ダッシュボードカバーを付けることにした。

出荷台数がある程度ある車であれば、大抵このようなものが車種専用品として市場に出回っており、インターネット通販で大体一万円前後で入手できるので早速購入してみた。

合わせてみたところ、ジャストフィットとまではいかないが、そこそこそれらしくなりそうだ。ある程度重みがあるので、フロントガラスとダッシュボードの隙間に押し込めば置くだけでも使えそうではあるが、折角なので固定してみることにする。

はじめから数箇所にマジックテープが縫い付けられており、マジックテープの反対側を両面テープで留めるようになっている。

まずはシリコンオフで脱脂する。

マジックテープで留める位置に両面テープを貼る。

それだけではフィット感が足りないので、ダッシュボードの曲面に合わせて浮きが発生しそうな数カ所を市販の両面テープで留める。

残念ながら、この製品には日照センサ用の窓が開いていないため、位置決めした後に追加の穴を開ける。

取り付け完了。まあ、こんなものだろう。

これでダッシュボードのベタついている部分はうまくカバーされ、臭いものは視界から消えた。いい感じだ。

このカバー、内部にスポンジ状の層があり、多少断熱効果も期待できるので、劣化を遅らせることができるだろう。仮に劣化が進んでべとつきが増しても、それならそれでカバーがよりフィットしてくれるのではなかろうか。

まあ、場合によっては諦めることも必要ということだ。